昨年の8月下旬に、農八会主催の飯能市エコツーリズム・ツアー
「昔野菜“固定種”を食べる会~タネから食べることについて考えよう~ナス編」に参加しました。
農八会とは、飯能を農で盛り上げるために、農業に関心のある市内外の若者たちによって組織された団体です。
農業体験ツアーや子供の食育など様々な取り組みを企画実施しています。
今回のツアーでは、農園にて固定種野菜の採取体験と収穫体験をした後、
市内の飲食店にて固定種野菜とF1種野菜の食べ比べをし、プロが調理した固定種野菜の料理を味わいました。
ところで皆さんは「固定種」をご存知ですか。
種子は固定種と交配種の二つに分けられます。
固定種とは、作物がある土地で繰り返し栽培されることでその土地の気候風土に順応し、味や形などの形質が固定化された種のことを言います。
交配種はF1種とも言われ現在スーパーで売られている作物のほとんどがこの種からできています。
F1種は異なる品種を掛け合わせた種で、親よりも丈夫で品質もそろって育つため、時間と手間が削減される利点があります。そのためほとんどの農家はこのF1種を使用します。
しかしF1種は優れた形で出荷できるのは一代のみというデメリットもあります。
一方固定種は、はじめは大きさも不揃いですが、何度も同じ場所で繰り返し採種されると形質がそろったものが収穫できるようになります。
固定種とF1種、どちらも一長一短あるわけですが、現在は流通の都合でF1種が多く栽培され、固定種はほとんど栽培されなくなっています。
「このまま固定種がなくなっても良いのか」ということをテーマに、勉強してきました。
初めに採種(タネ採り)の方法をレクチャーしていただき実際に体験もしました。
この写真はきゅうりの種を採種している様子です。きゅうりって、こんなに大きくなるんですね。
作物によって採種方法は異なりますが、とっても簡単なので自分でも家で育てた作物の採種ができそうです。
採種体験の後は、「蔵DINING酒田屋商店」というお店に移り、
固定種とF1種を実際に食べ比べし、ツアーに参加した方々とディスカッションをしました。
同じ時間で素揚げしたナスを対象とし、見た目、食感、香り、風味を評価してそれぞれの班で意見交換をしました。
私の班のメンバーの中にはナスの苦手な方がいましたが、固定種の品種なら美味しいものもあるとおっしゃっていました。
品種により食感も風味も大きく異なるため、それぞれの性質に適した調理法があるようです。
最後に固定種のナスを使った料理をお店の方にふるまってもらいました。 青大丸ナスの味噌チーズ田楽や水ナスのカルパッチョなど、どれも斬新で美味しいものばかりで、新しいナスの食べ方を学びました。
固定種はF1種に比べ時間と手間を要しますが、その土地に根付いた独特の風味を味わうことができるため、 地域のブランドになるのではないかと思います。 この大事なブランドを絶やさないためにも、固定種を守るという考えが必要だと感じました。
今回ツアーに参加して、固定種野菜の美味しさと奥深さを知ることができました。 皆さんもぜひ農八会のツアーに参加して、固定種野菜を味わってみてください!!
参考ウェブサイト:飯能市観光・エコツーリズム推進課ホームページ→:
飯能市観光・エコツーリズム推進課HP
(平口ゼミ ・ 3年 M.K./2015.03.26)