最近、メディアや雑誌で道の駅が全国に広がっているという話を耳にする機会が多くあり、私自身も興味を持つようになりました。道の駅はお客さんを呼び込むために様々な工夫をしており、土地によってそれぞれ特色が異なっていて、各所で比較がしやすく、見どころがたくさんあります。そこで今回の機会を生かし、なぜ道の駅に注目が集まっているのか、場所によってどのような違いがあり、何が魅力なのか、地元である栃木県を中心としてこのテーマで研究することにしました。
和食の世界無形文化遺産認定、日本を訪れる外国人観光客の増加、さらに2020年東京オリンピックの開催地決定のニュースなどから、今後さらなる増加が予測される外国人観光客をターゲットに、旅行の有益な情報を提供できないかと考えました。
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【概要】
旅行に出掛けたとき、その土地の雰囲気に根差した「地元っぽい」ところに行ってみたいという気持ちを抱きます。日本を訪れる外国人観光客にも同じことが言えるのではないでしょうか。民家カフェの利用はこの思いを満たす一つの有効な策だと考え、「日本家屋の良さが感じられ、そこでカフェをやっているとは思わないような、意外性のあるお店」という民家カフェの基準を作り、様々な民家カフェに足を運び、主に建築や雰囲気の調査を行いました。それぞれのカフェごとに昔懐かしい空間、穏やかさや安らぎなどの感じたことのまとめを作り、ガイドブックの完成を目指しました。
【制作の手順】
まずは外国人観光客の現状を把握し、日本観光の目的や興味を具体化しました。続いて海外の旅行本やHP などを調査し、実際に投稿される情報などを参考にガイドを作るにあたっての必要事項を検討しました。その結果、ターゲットを「東京観光中に休憩場所を探しており、日本の日常生活に興味を抱く外国人観光客」と確立させました。いくつものカフェ調査を行い、「昔懐かしい空間」の定義を考え、それに当てはまるカフェを選抜しました。ガイドには外観・内観の風情溢れる写真、建物や雰囲気の説明を載せ、さらに基本情報や店の近辺情報なども添えた合理的なものを目指しました。
【まとめ】
私はもともと世界の文化の違いに興味がありました。外国人が日本のことをどのように感じるのかを調べるのはとても興味深く、また民家カフェのような昔の良さを大切に残している店を巡っていくうちに日本人の価値観の素晴らしさを感じました。こんなにも洋風な文化が浸透する中で、和の魅力を改めて考える機会となりました。ガイドを作るにあたって、見る人の立場を考える機会が多く、人と意見を交わすことや日々周りの情報に目を向けることの大切さを学びました。
ハーブで彩る食卓
今はスーパーにも手軽にハーブは手に入れられますし、ハーブティー専門店などもありますが、日常でハーブを使う機会はそんなにはないのではないでしょうか。
私はこの実習以前はパスタやスープの彩りや香りづけにバジルやパセリ、カレーを作る際にローリエを使用する程度でしか使うことがありませんでした。それは、私の中でのハーブは「身近なようで身近ではないもの」だったからです。しかし、知人の農家からローズマリーと大量のバジルを頂き、その使い道に困っていた時にふと図書館で見たハーブの料理本を読んだことで「ハーブをもっと知りたい!」と思い、実習のテーマにすることにしました。
実習では、ハーブの栽培方法を調査し、ハーブの苗を実際に育てています。また、ハーブの効果を考え、栽培したハーブを使った料理のレシピを考案しています。まず、ハーブミートソースやポテトピザなどを提案しました。
現在はより日常で手軽にハーブを利用するレシピを提案したいと思い、私達が毎日摂取しているドリンクに焦点をあててレシピの考案を行ってきました。そして実習を進めるにあたり、私は「フレーバーウォーター」に注目しました。
「フレーバーウォーター」とは果物や野菜、ハーブ、スパイスなどで風味をつけた飲み物のことを指し、現在では多くの企業が販売しています。企業が販売している「フレーバーウォーター」は主に香料で香りを付けていますが、私が提案するのは果物とハーブを組み合わせた「フレーバーウォーター」です。
毎日の食事に手軽に飲むことが出来て、旬の果物とハーブを水に加えて約半日置くだけなので、手間も掛らず誰でも簡単に作ることができます。このドリンクはハーブティーとはまた異なる、果物とハーブがほんのり香るフレーバードリンクとなります。毎日たくさん飲むのだから、ハーブとフルーツを使ったいつもとはちょっと違うドリンクを提案します。
フェアトレード商品の魅力
初めてフェアトレード商品に出会ったのは、ちょうど2年前でした。個性的で暖かみのある手書き風のパッケージに包まれたチョコレートに惹かれ、手に取ってみると、“Fair Trade” と記載されてありました。それが、私のフェアトレード商品との出会いでした。
●目的
近年、大手小売店などがフェアトレード商品を扱うようになり、フェアトレードの知名度が上がってきています。しかし、名前を聞いた事はあるが、詳しい仕組みはあまり知らないという人が多いように思います。そこで、フェアトレードの仕組みや課題点をわかりやすく解説し、フェアトレード商品の魅力を伝え、多くの人により興味を持ってもらいたいと思いました。
●フェアトレードとは
従来の貿易の一部に、生産者側の児童労働、環境汚染、悪環境下の労働などの問題があります。その問題を改善するために、およそ60年前にフェアトレードが発足しました。主には、生産者とフェア(公平)に取引をしている、環境に配慮して作業されている条件下で出来上がった商品になります。商品のバラエティは、衣類から小物、食品と、多岐にわたります。
●フェアトレードの魅力
フェアトレード商品の値段は、非フェアトレード商品のものに比べて生産者に割り当てられる金額が多いため、対象商品を購入すれば、間接的に国際協力ができるという点があります。生産国の伝統的な小物を扱うことや、伝統衣装の一部を衣類に取り入れたりしている点もフェアトレード商品の魅力のひとつだと思います。
●問題点
フェアトレードの生産者側は、主に小規模の自営業で技術的に貧しい事が多いです。そのため、品質が必ずしもいいとは限らない、納期にムラが出るなどという問題点があります。このような問題をいかに改善し、消費者にアプローチしていくかが、フェアトレードの重要な課題点だと思います
●ホームページ作成
フェアトレードの仕組みや魅力などをホームページに記載し、紹介しています。
アメリカの給食
■目的: 現在、年齢や地域を問わず様々な食に関する問題がある。共通している取り組みは、学校給食である。この研究では、様々な人種が集まり、食に関する問題が深刻なアメリカの学校給食を取り上げた。前回は、Let’s move を中心としたアメリカの食育の取り組みを研究した。そして今回は、より具体的に給食の取り組みについて調べた。アメリカの学校給食を地域ごとに調べ、給食の課題をアメリカと日本給食の良さを活かして提案する。
■概要: アメリカを地域に分けて各地域(北東部、中西部、南部、西部)から選出し、実際に提供されている給食献立を集め、基本データや他校との比較を行った。この比較より、地域性があり、子どもの健康的な食生活を考えた給食提供に積極的な地域とそうでない地域がある事が分かった。積極的な地域は南部と西部であった。また、アメリカ郷土料理や日本では馴染みの無い健康的な食品(全粒粉やレンズ豆等)の利用方法を知る事が出来た。それをふまえて、給食の紹介、日本とアメリカの給食の課題、新しい給食の提案をする。
■結果:
《給食の例》 【 西部】(コロラド州、ネバダ州、カリフォルニア州、ハワイ州等)
・給食の特徴…名物のメキシコ料理やカリフォルニア料理、ハワイの伝統的な料理等、地域性のあるメイン料理が多くでる。献立表は、使用している食品(全粒粉、砂糖控えめ等)が一目で分かりやすいように料理ごとにイラストを付けている。Web で挙げられている献立表は、料理の写真、栄養素、内容説明を細かく見る事が出来る。〈一日の献立例…Western BBQ Hamburger、Seasoned Potato Wedges、
The Harvest Bar、Local Side Salad、fresh Watermelon、Cookies〉
《課題》 アメリカの学校給食の利点は、「豆の種類と頻度が多い」「主食は全粒粉、玄米を使用」「毎日果物がでる」という点である。課題は、「冷凍野菜の使用が多い」「副菜の調理方法や味付けが簡易的(切るのみ、茹でるのみ)」いう点である。
一方で日本は、給食で提供されている食品で、果物、芋、豆が不足しているという課題がある。そこで、アメリカと日本の課題と良さを合わせてより良い給食献立の提案をする。
→・冷凍食品を活かした副菜・子供が喜ぶ豆料理・全粒粉の料理紹介
断面から見る美味しさ
私は、ケーキがあまり得意では有りません。しかし、ケーキの断面は、表面からはわからないクリームの層や生地の感触などが見られるので、私にはとても魅力的に感じました。そこで、世界のケーキを調べれば自分の好みのケーキがあるのではと考え、各国のケーキを調べるようになりました。そこで、前期はケーキの歴史、時代ごとに食べられていたケーキを再現し、断面図より解説しました。昔はスポンジケーキが主流ではなかったこと。中身は木の実やドライフルーツや多かったこと、味はスパイスが効いていて甘さだけではなかったことなどがわかりました。
ヨーロッパ各国のケーキの中から、調査対象をオーストリア、ドイツ、スイスのケーキに搾り、断面図からケーキを解説します。この三カ国にした理由は、それぞれの国に代表するケーキはあるけれどもそれ以外のケーキがあまり知られていないからです。例えば、オーストリアは「パンがないならケーキを食べればいい」という言葉で有名なマリーアントワネットの母国で、マリーアントワネットがフランスに嫁いだときに、いくつかのお菓子がフランスに伝えられたといわれています。つまり、フランス菓子といわれているものも元はオーストリアの菓子だったかもしれません。そのような時代背景や歴史は、オーストリアのお菓子を調べる動機となりました。ドイツ、スイスはオーストリアに隣接している国であり、共通するケーキもあります。ケーキ以外でも公用語がドイツ語であり、昔から他のヨーロッパ諸国よりも深い関係があると思いこの二つの国も調べようと考えました。
調査三カ国のケーキを取り上げ、紹介し、その特徴などを冊子にまとめます。
冊子内容
・断面図から味、何が入っているか、表面のデザインではわからないことを図解
・歴史的背景を含む、名前の由来を説明
・現地でのそのケーキがどういった存在なのか、どう食されるかを紹介
・三カ国で共通しているケーキの比較
高橋 勝美ゼミ
かんぴょうが“ 結ぶ” 食と栃木
栃木県はかんぴょうの全国生産量98%を占め、300 年以上の長い歴史を持つ。
かんぴょうは夕顔というウリ科の実から作られる。収穫した夕顔の実を細くリボン状に剥き真夏の太陽の下で干しあげてできる。
昔は当たり前のように各家庭で行われていたかんぴょう作りが今はすっかり廃れてしまった。細く剥かれた夕顔の白いカーテンが風に揺れる夏の光景が消えてしまったのである。これは実に残念な事だ。かんぴょうは昆布巻き、餅巾着に使用され「結べる」食品として唯一無二の存在でありながら家庭での利用頻度は少なく調理法もあまり知られていない。保存性が高く、それ自体に癖がないためどんな料理にもしっくりとくる。食物繊維を豊富に含むことから健康食品としての価値も高い。「かんぴょう県」栃木の歴史や取り組みの調査、かんぴょうの特徴を活かした料理の考案を通してまだ知られていない新しい魅力を引き出し、かんぴょうの価値向上を目指す。
第1回発表では、栽培を開始した夕顔の成長の様子を紹介した。かんぴょうを使った料理を考え「形状」「食感」「美味しさ」等の観点から評価し、かんぴょうに合う調理方法を模索した。
本発表では実際に育てた夕顔の実の収穫からかんぴょうへ加工する過程を発表する。そこには今は消えてしまった「かんぴょう県」の夏の風景とにおいがあり、かんぴょう県民の懐かしい記憶が呼び起こされた。さらに出来上がったかんぴょうをさまざまな食材と調理方法で料理した。第1 回発表で紹介した料理の反省を活か
しながら考案した50 品のかんぴょう料理の中からかんぴょうケーキ・夕顔カルパッチョなどの自信作を紹介する。
この発表で「かんぴょう県」栃木を知り、かんぴょうの可能性を感じてもらいたい。どんな食材とも相性が良いかんぴょうが日常食となり、かんぴょうで栃木と食、食とあなたを結べたら嬉しい。
うどんの魅力を探る / ~うどんでめぐる都道府県~
うどんは、小麦粉を塩水で練ってつくられる。比較的安価で腹持ちがよく、消化にも良い。暑い夏には冷たいサラダうどん、寒い冬には身体の芯から暖まる鍋焼きうどんなど、同じ麺でも様々な楽しみ方ができるのが魅力のひとつといえるだろう。
うどんの原型と言われている「唐菓子」は、奈良時代に中国から伝来した。室町時代に形や食感ともに変化を遂げ現在のうどんの形となり、江戸時代になってから庶民の生活にも浸透するようになった。以来400 年以上もの間、私たちの食生活の中で親しまれている食べ物である。
私は、大好きなうどんをテーマとして取り上げ新たな楽しみ方はないか探った。うどん好きな人にもそうでない人にも魅力あるメニューを提案したいと思う。
●これまでの行動●
文献調査、フィールドワークを通してうどんに関する知識や課題点を探った。その結果、日本各地には、北海道から沖縄県まで47 種類以上ものご当地うどんがあり、固定観念に捉われない個性的なうどんが存在し親しまれていることが分かった。中間発表では、これらのうどんを紹介した。また、2 種類のうどんの試作を行った。一つ目は豆腐や豆乳などの豆製品を練りこんで作ったうどん、二つ目はもち小麦という新品種の小麦粉で作ったうどんである。この結果、もちもちとした新食感のうどんができると分かった。
●第二回食文化栄養学実習発表会●
中力粉やもち小麦の特長を生かして、何品かうどんを試作した。今回の発表で紹介するのは『都道府県×うどん』をキーワードに各都道府県の特産品とうどんを組み合わせた新感覚のオリジナルうどんである。
【一例:広島県のレモン】すりおろしたレモンの皮をうどんに練りこむことで、肉に合うさっぱりとしたうどんができた。
うどんと特産物を通して、地域振興のきっかけとなり一人でも多くの方に親しみを持って頂ければ嬉しい。
寒天を楽しむ!
寒天は、心太を凍結・乾燥したものである。原料となるのは、海藻の天草だ。厳密には、テングサ属のマクサという海藻が一般的である。寒天の種類には角寒天、細寒天、粉寒天の三種類があり、用途に応じて使い分けることが出来る。同じテングサ類のなかでも、心太のように固めた時の口当たりはそれぞれ異なる。柔らかいものから固いものまで、海藻の性質によって様々である。
■目的■
寒天は羊羹などに使われることから固い食感という印象があるだろう。しかし、寒天の量を調節すれば柔らかくプルプルとしたものも作ることが出来る。寒天レシピの中には、お酒を使ったものもあったが、それらはスイーツとして作られたものだった。それならば、お酒のアルコールを飛ばすことなく、お酒の味そのままを感じることが出来る「食べる酒」を作りたいと考えた。酒の種類や固め方を変えて、そのままの液体とは違う楽しみ方を見つけ、多くの人々に酒と寒天の出会いを楽しんでもらいたい。
■実習内容■
行事には、色々なものがある。バレンタインやクリスマス、誕生日や結婚記念日など人によってさまざまあると思う。その行事を楽しむために、どこかへ出かけたり、ケーキを食べたり、祝い方や楽しみ方も人によって異なる。そこで、いつもとはちょっと違う寒天のカクテルを楽しむのはいかがだろうか。
寒天は、よく菓子作りなどに使われる。しかし、それだけではない。高齢化により嚥下機能の低下によって誤嚥をしてしまうことがある。高齢者にとって、汁物や飲み物は誤嚥しやすい。そこで、寒天を使いとろみをつけてむせにくくする。年をとってもお酒を楽しみたい人は大勢いるだろう。そこで、寒天で酒にとろみをつけて嚥下しやすくする。また、加熱段階で少しアルコールを飛ばすことでアルコール度数を抑えることも出来るため、あまり酔わずにすむ。第一回発表では、アルコールを出来るだけ飛ばさないよう工夫したが、今回はお酒が弱い人でも楽しめるように、アルコールを少し飛ばしたものを紹介する。寒天の魅力をたくさんの人に感じてもらえたら幸いである。
凍り豆腐の可能性
噛んだ瞬間、甘めの出汁がじゅわーと口の中に広がる。私はそんな凍り豆腐の含め煮が大好きだ。しかしスポンジのような食感や独特の風味を嫌う人も多く、あまり食べている人を見かけたことがない。凍り豆腐というと含め煮の印象が強いが、他にも利用法があることを知ってほしい。
凍り豆腐とは豆腐を凍結・乾燥させてスポンジ状にしたものだ。貴重なたんぱく質源の一つで、カルシウムやマグネシウム、鉄分なども豊富なため、健康食品としても注目されている。保存性が良いという利点もあるが、調理法があまり知られていないという欠点もある。また凍り豆腐はJAS(日本農林規格)の品質表示基準で決められた正式な食品名で、高野豆腐、凍み豆腐などと呼ばれることが多い。
*伝統と新しさ
第一回発表では、凍り豆腐を粉末状にした粉豆腐というものがあることを紹介した。粉状にすることで料理の幅が広がり、食感を嫌う人にも親しみやすくなることが分かった。さらに今回は高野豆腐発祥の地といわれる、奈良県吉野郡野迫川村の高野豆腐伝承館で工場見学をさせていただき、改めて凍り豆腐づくりの大変さを学んだ。そして関東ではあまり凍り豆腐が食べられていない理由の一つには、出汁を味わう文化の違いがあった。
*凍り豆腐といえば含め煮からの脱却
第一回発表では、朝昼晩それぞれにおすすめの料理と粉豆腐を利用したパンケーキなどを紹介した。今回はこれまでに試作したものをレシピと合わせて紹介していく。凍り豆腐で炒め物をすると油を吸ってしまい、しつこくなってしまう問題があったが、下味の付け方や炒める順番を変えることで調節が出来た。粉豆腐を利用して作ったそぼろ煮は、見た目も味もお肉と変わらなかった。副菜としてだけでなくメインのおかずとして食卓にも取り入れてほしい。その他お菓子にも利用できる。
凍り豆腐はスーパーなどでも簡単に手に入る。乾燥していて、密封状態であれば半年程度持つため、非常食として常備しておくのもおすすめだ。普段の料理に取り入れ、生活を豊かにできれば嬉しい。
豆腐と油 / 新たな調理法の確立
●豆腐と油の関わり●
豆腐発祥の地は諸説あるが中国とされている。その起源は紀元前2世紀前漢の劉安の創作にあるという説である。
日本に豆腐が記録として最初に登場したのは寿永2 年、神主の日記に「唐符」という文字である。それが最初の記録といわれている。
豆腐が庶民に親しまれるようになったのは江戸時代である。『豆腐百珍』という料理本がきっかけである。しかし、調理法としては焼く・煮る・揚げるなどありますが、油を使ったものは田楽や油揚げとうふ、霰とうふといった、揚げるという方法がほとんどであった。現在、豆腐と油を使った加工品は、厚揚げ、がんもどき、油揚げなど様々あるが、揚げるといった調理法が一般的である。
●実習目的●
インターネットで調べたアンケート結果から、豆腐の消費は年齢が高くなるにつれて上がることがわかった。そこで若い世代にも豆腐を食べてもらえるように、豆腐を揚げるだけではなく、今までにないレシピを提案したい。豆腐の新たな調理法を考えることによって気軽に豆腐を食べてほしい。
●実習内容●
前期では、豆腐の調理法について製造者と客の双方に話を聞き、その上で豆腐を衣として使用した天ぷらやとんかつ、豆腐の中に油を入れたバター豆腐も試作した。豆腐と合う油と合わない油を知ることができた。
今回は前期の結果を踏まえて、豆腐と油を使用した調味料の試作を行った。オリーブオイルやバターといった油を使用し、豆腐と油の比率でも味が異なるという結果が得られた。
また、オリーブオイルをかけて食べる豆腐が販売されているとネットで知ってスーパーの売り場で実際にこれを買う客から話を聞いたり、中国に行ってスーパーや飲食店での豆腐と油を使った商品の調査を行ったのでその結果も発表する。
魚介すり身の魅力を感じよう
私の大好物はちくわやかまぼこ、さつま揚げだ。それらは魚介すり身から作られている。私には他にない食感と匂いがたまらないが、それを嫌う人も多い。スーパーではコーナーが小さく、カフェやレストランなどではあまり取り扱われていない。季節ものとも言われる。そこで私は親しみやすい料理に魚介すり身を使い、食感や匂いを変えることで食材としての可能性を広げたい。
前回、日本や世界での魚介すり身の食べ方を発表し、野菜や炭水化物などいろいろな食材との相性がよく、味も様々であることが分かった。また家庭でも手軽に作れるメイン料理として、ハンバーグやコロッケを作った。
今回は、引き続きメイン料理の考案とスイーツを発表する。アッ! と驚く料理を目標にし、魚介すり身に興味、好意を持ってもらいたい。肉の代用は豆腐だけではなく、魚介すり身と言われたい。そのために固定観念を崩し、広い世代に受け入れられる魚介すり身とその製品になって欲しい。
≪ 発表内容 ≫
・新しい発見を求めに
仙台の阿部蒲鉾で笹かまの手焼きを体験し、小田原の鈴廣でちくわ・かまぼこの製造をした。どちらも楽しさと、出来立ての味が楽しめる。千葉の海ほたるには魚介すり身の商品が数多くあり、九州のハトシも食べられる。また、そこで作られている惣菜やお弁当、季節商品から魚介すり身の可能性を学び試作に生かすことができた。
・メイン料理に変身
出来る限りすり身の良さを生かし、美味しいメイン料理を試作した。餃子やロールキャベツ、すり身まんなど肉のジューシーさを魚介すり身で出すのは難しかったが、加える油脂類を工夫して克服した。
・スイーツに挑戦
仙台で出逢った甘いかまぼこに魅了され、魚介すり身を使ってスイーツを作ろうと思った。はんぺんのフレンチトーストは元の食感が生かされ、予想以上に美味しかった。
酒粕に親しみを! / ~酒粕を食べよう~
●酒粕とは
日本酒の製造過程には、発酵終了後に「もろみ」をしぼる上槽または圧搾(あっさく)という工程がある。ここで搾り出された液体が清酒で、残った白い固形の物質を「酒粕」と言う。酒粕の主な成分はたんぱく質、食物繊維、ビタミンB1、ビタミンB2、ビタミンB6、葉酸、パントテンサンで、豊富な栄養素が含まれていることがわかる。
また、酒粕は糖尿病, 高血圧, 骨粗鬆症, 脳梗塞, 心筋梗塞, 動脈硬化などの予防に効果があるとして期待されている。
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●実習目的
酒粕と言えば多くの人が甘酒、粕漬け、奈良漬を思い浮かべるのではないだろうか。しかし、これらの酒粕商品を普段から食べている人は少ないと思う。なぜならあの独特な香りが苦手だったり、味が嫌いだったり、様々な理由があるからである。そんな酒粕には様々な病気の予防効果や豊富な栄養素が含まれていることを多くの人に知ってもらいたいと思った。中でもあの独特な匂いに注目し、できる限りこれを抑えて苦手な人でも食べやすくなるような調理法を紹介したい。
●実習内容
第一回発表では酒粕の匂いを抑える方法を試した。赤ワインに一晩漬けてから煮る方法と水につけてから煮る方法が効果的であり、これを一般的な料理に入れてみたところ卵焼きとレアチーズケーキで好評を得た。
本発表では様々な中華料理に酒粕を調味料として加えているという助言を受け、辛みによって酒粕の味が抑えられるか試してみた。辛いものの代表としてカレーに混ぜた結果、カレーの量の半分の酒粕を入れると少し酒粕っぽさが感じられた。しかし2/5 を入れると酒粕っぽさは感じられず、辛みによって酒粕の味を抑えられることが分かった。カレーは三大栄養素である脂質が多く、逆に酒粕はたんぱく質と炭水化物が多いので、お互い補えることが分かった。
この発表で少しでも多くの人に酒粕に親しみを持ってもらえたら幸いである。
愛すべきねぎとにんにく / においを楽しむ
にんにくを食べていた時、おいしくていいにおいなのにくさいと感じたのが研究のきっかけである。人は、” におい” を感じながら食事を味わっている。私は、ねぎとにんにくの強烈なあのにおいが、調理によって、おいしい、いいにおいに感じる瞬間が好きだ。あのにおいは食べる前から、その場にいる人達の食欲をそそる。鼻にすっと入り込み、空腹の状態をさらに加速させる。口に入れれば、今度は口の中からに鼻の方へとにおいが抜けて、料理のおいしさが広がっていく。しかし、その一方でねぎとにんにくは独特なにおいゆえ、嫌がられる瞬間が存在する。
接客の仕事をしている時、フォーマルなシーンがある時、どうしても” 周り” に対するにおいの配慮から、ねぎとにんにくを避けるのである。なぜなら人は、においを気にしながら生活しているからだ。そのため、食べた後もにおいが強烈なねぎとにんにくが嫌厭されるのは仕方がないことかもしれない。しかし、それでも多くの人に愛されるねぎとにんにくの魅力は揺るぎないものである。
文献調査と調理を行い、ねぎとにんにくのにおいを抑えるには牛乳を用いると効果的であることがわかったが、完全ににおいを消す方法を見つけるのは難しいことであった。そもそも、ねぎとにんにくの良さはあの独特なにおいがあるからこそであり、あのにおいがなくなったらねぎとにんにくの魅力が半減してしまうのではないだろうか。この考えを踏まえ、ねぎとにんにくをあまり知らない人には知識本として、ねぎとにんにく好きの人にとってはより愛が深まる専門書としての冊子を作成した。堅苦しい内容ではなく、ねぎとにんにくについて気軽に知ることが出来る本である。にんにくの生産地で有名な青森県の田子町と、東京にあるにんにくの専門店に足を運び学んだにんにくの知識、調理方法、生産者の顔、を紹介したい。
この発表を通して、人々に愛されるねぎとにんにくの魅力を感じて、よりにおいを楽しみ、あなたの生活が豊かになるきっかけが得られれば嬉しい。
田中 久子ゼミ
“ 鶴ヶ島サフラン” の価値
◆サフランとは
紫色の花が特徴的なアヤメ科クロッカス属の多年性球根植物のことをいいます。その雌しべ部分を乾燥させたものが着色料や薬として利用されており、料理ではスペインのパエリアなどが有名です。原産地は地中海沿岸地方及びヒマラヤ地方であり、国内では大分県竹田市以外、ほとんど栽培されていません。
◆ “ 鶴ヶ島サフラン” 特産化の歩み
日本では、あまり馴染みのないサフランですが、現在鶴ヶ島市では特産化を進めています。その歩みは、平成24 年に城西大学から球根を譲り受けたことからスタートしました。平成25 年4 月には、鶴ヶ島市を始めとし、城西大学、女子栄養大学、医療機関、福祉機関などを構成員とする「鶴ヶ島サフラン・スーパーサポーターズ」が設立され、行政だけでなく、市民などの声にも耳を傾けながら、サフランの栽培や利用方法などについて検討しています。
◆実習の目的
“ 鶴ヶ島サフラン” は、イベント等の販売の他に、JA いるま野鶴ヶ島直売センターや、地域のコミュニティカフェの「ここほっと」「ベリー畑カフェ」などで販売されています。販売価格は、1 袋0.5g で530 円。一見、高価で手の届きにくい物ですが、リピートして購入する人や“ 鶴ヶ島サフラン” を通して町を元気にしたいと考える人もいます。また、地元企業では、サフランを用いた加工品及び調理の開発も進められています。このように“ 鶴ヶ島サフラン” は、地域の住民や企業など様々なところから注目されています。着眼点も人によって異なり、効能に注目する人、農家の収益アップを目的とする人、地域活性化を目指す人など、さまざまです。これを知り、“ 鶴ヶ島サフラン” に関わる人は、それぞれ“ 鶴ヶ島サフラン” のどこに着目し、価値を感じているのか疑問に思いました。また、行政の方針と住民のニーズも異なっているのではないかと感じました。実習では、この“ 鶴ヶ島サフランの価値”について多側面から調査し、明らかにしていきたいと思います。
根岸 由紀子ゼミ
焼き芋ジャム / ~さつま芋をいつまでもおいしく~
肌寒い季節になってくると、あたたかいほくほくとした焼き芋が食べたくなる人は多いのではないでしょうか?しかし、食べきれなくて次の日にまた食べてみたらなんだか固くてあんまり美味しくない。「買ったばかりのときはあんなに美味しかったのに!」というような経験はありませんか?
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■美味しさを保つには?
せっかく美味しい焼き芋ですが、その美味しさを楽しむことが出来るのは特定の保存方法と限られた期間だけです。冷凍保存をして解凍して食べるという方法もありますが、水分量の多い芋の場合、「ベチャッ」としたあまり芳しくない口当たりになってしまうことがあります。そのため、水分量や甘味等を整え長期保存ができるようジャムに加工し、一年中焼き芋の風味を味わえるようにしたいと考えました。
■さつま芋の特徴
主成分は炭水化物であり、食物繊維のヤラピンはさつま芋が持つ独特な成分で、どう調理してもその効果を発揮するという特徴があります。その他、ビタミンB1、B2、C、E 、カロテン、カリウム等を多く含有しています。これらのことから、さつま芋は様々な栄養素を含んだ健康にも美容にも効果的な食物であると言えます。
また、焼き芋にすることででんぷんが糖に変わり、さらに水分が飛んで蒸かし芋などよりも甘味が増します。
■色とりどりのさつま芋
さつま芋には様々な品種があり、それは味、外観ともに大きな違いがあります。おなじみの黄色や紫色のほか、オレンジ色、白色等もあります。肉色だけではなく皮の色も、紫色、赤色などなど、、、。それぞれが持つ特性を活かせば、食事や料理の幅が広がり食卓も華やかになり、視覚的にも楽しんでもらえるのではないでしょうか。
焼き芋ジャムの使用方法の例としては、パンにつけるのはもちろん、アイスクリームやグリルした果物(りんごなど)に添えたり、肉料理のソースにしたりとアイディア次第で様々な応用ができます。
6 月の発表ではさつま芋の品種を5 種類に絞りましたが、今回の発表ではもっとたくさんの品種のさつま芋を用いたジャムの作り方等をより詳しく紹介します。
サツマイモで“ 女性のお悩み” 解決☆ / ~焼き芋を利用した料理提案~
◆目的◆
女性の多くが抱えている、“ 便秘” のお悩み。あなたは大丈夫ですか?
私も便秘で悩んでいるうちの一人です。この実習を通して、“ 便秘” の悩みとしっかり向き合い、改善したいと思います。その改善方法として“ サツマイモ” を利用します。サツマイモには、便秘改善に効果のある優秀な栄養素がたくさん含まれています。そんなサツマイモのことを理解してもらい、サツマイモをより多くの人に食べてもらうことでサツマイモの力を知ってもらうとともに、健康的な食事を推奨します。便秘を改善することで、心のストレスと体のむくみも一緒に解消して、さらには女性に嬉しい健康で綺麗なお肌も手に入れちゃいましょう♪
◆サツマイモの力とは?◆
サツマイモには、たくさんの“ 便秘改善” に効果のある栄養素含まれています。
1) 食物繊維・・・便の嵩を増す、腸内清掃、体内に発生した毒素を吸着する働き
2) ヤラピン・・・腸の蠕動運動を促進し、便を軟らかくして排出する働き
3) ビタミンC・・・便秘改善効果、美肌効果
◆焼き芋を利用したレシピの提案◆
この実習の中で私が提案したレシピはすべて、サツマイモを焼き芋へと一時加工してから使用しています。焼き芋へ一時加工する理由としては、サツマイモは加熱をすることで、麦芽糖が増えて甘さが引き出されます。さらに、水分が飛ぶことでより一層甘さを濃く感じることができるからです。なので、砂糖など糖分を加えることなく、自然の甘みだけで作ることができます。また、焼くことでサツマイモがとても柔らかくなるので、調理も簡単にできます。
焼き芋を利用したサラダやスープ、コロッケや春巻き、デザートのレシピの提案もしました。発表の後、提案したレシピをリーフレットにして配布します。便秘で悩んでいる人はもちろん、そうじゃない人も、最近サツマイモを食べていない人も、ついつい作りたくなるような美味しいレシピ集になっています。是非、ご覧ください♪
ヤーコン☆ダイエット / ~ヤーコンを使ったヘルシーレシピ~
みなさんはヤーコンを調理したことがありますか?ヤーコンはとても応用の幅が広く、どんな調理法でも調理することができます。今回の発表では、ヤーコンの調理性の高さや、現代の若年女性に多くみられるヘルシー志向に注目し、ヤーコンのヘルシーさを追求した調理方法を提案します。
▶▷目的
私がアルバイトをしている飲食店では、ヤーコンを使用した料理を多く提供しています。しかし、お客様からヤーコンとはなにかというような質問を多くされ、ヤーコンというもの自体があまり知られていないと感じました。ヤーコンは、調理がしやすく、低エネルギーです。そして、フラクトオリゴ糖やポリフェノール、カリウムやカルシウム、マグネシウムなどのミネラルも豊富に含み、健康にも良いとされています。ヤーコンの知名度が少しでも高まり、消費が拡大できれば良いと思います。
▶▷実習内容
前回の発表では、ヤーコンのもつ効果について、ヤーコンを使った料理・製品の紹介、ヤーコンを地元坂戸市の特産物にしようと考えているNPO 法人の方々との活動などを発表しました。
ヤーコンに多く含まれているフラクトオリゴ糖は、糖質の中でも人間の消化酵素や消化器官では分解・吸収されにくい性質も持っているため、低エネルギーです。さらに、大腸内のビフィズス菌など乳酸菌類の栄養源ともなり、善玉菌を増やし、悪玉菌を減らすなどの整腸作用があります。これらの効果を知った上で、ヤーコンを調理してみました。
そして今回、6 月の発表後に大学農園に植えたヤーコンを10 月に収穫しました。そのヤーコンを使って、家庭でも簡単に作れる定番のレシピを考えました。様々な調理法で調理し、主食からデザートにまでなるヤーコンの調理方法を紹介します。
今回の発表では、これまでに考えたレシピ全てを時間内に紹介しきれないので、レシピ集を作りました。是非参考にしてみて下さい。また、みなさんにヤーコンの味を知っていただくために試食も出したいと思います。
我愛包子! / ~新たな包子開発と提案~
包子とは、中国点心の一つで発酵させた小麦粉の生地で餡をくるんで蒸したものを言います。中に包む餡の種類は豚肉、海鮮、あんこ、ゴマなど色々あり、小龍包も包子の一種に含まれます。ちなみに、日本では肉まん、あんまん、中華まんと呼ばれてコンビニエンスストアなどでよく親しまれています。
◇◆研究目的◆◇
人が集まる場所の商品開発とその販売促進の提案をめざしていて、豚肉の製造や豚肉の加工品の製造を行っている㈱サイボクハムに協力を頂き、店舗で目玉となるような商品の開発をする事が目的です。そのために実際店舗に行き、どのような施設を設備しているのか、どのような客層がどのような目的でサイボクハムに来ているのかまず見学調査し、会社の理念や現在の販売状況を理解して、商品提案をします。商品は食べ歩きができ、冷凍しても売れるという事から、包子の開発をします。
包子は、日本では肉まん、あんまん、ピザまんなどの味が主流なので、開発をするにあたり、㈱サイボクハムに提案することから、サイボクハムの豚肉を使用するという事を軸にして開発をしました。
◇◆研究内容◆◇
前回の発表では㈱サイボクハムの会社の歴史と理念を調べました。そして、包子の主となる「皮」に着目をして弾力のある生地、手軽に作れる生地など3種のベースとなる皮や、紫さつまいもとすいおう(茎葉がおいしく食べられるように改良されたさつまいも)で色づけした皮を試作しました。
今回の発表では、前回の皮の研究を応用して、実際に試作した色づけした皮を使用し、サイボクハムの豚肉を使った新たな包子を試作しました。
そして実際に中国に行ってみて、現地の包子がどのように食べられているのか、どのように売られ親しまれているのかもあわせて発表します。
竹粉を食卓へ / ~竹粉を使ったレシピ提案~
みなさんは「竹粉」というものを知っていますか?
簡単にいうと、竹をそのまま粉末状にしたものです。これは現在問題になっている孟宗竹などの竹林の管理のため、伐採した竹の処理法として考えられました。今までは、土の中に混ぜたり、土表面にまいたりすることで土の中の乳酸菌を増やし、肥料や堆肥の分解が促進され、農作物が栄養分を吸収しやすくなることから、土壌改良材としての利用や、家畜のエサや農業などにしか使われていなかったのです。さらに乳酸発酵をさせて、風味を加味したものがあります。そこから竹粉の活用の場を広げ、私たちの食生活に取り入れることを考えました。
□■研究目的■□
竹粉を肥料や家畜のエサに使用することに加えて、私たちの食生活に取り入れることで竹粉の消費量を増やすこと。竹粉の成分はほとんどが食物繊維なので、私たちの毎日の食事で不足しがちな食物繊維の摂取量を増やすこともできます。こうすることによって、現在問題となっている放置竹林の減少に貢献し、竹粉を身近な食べ物に取り入れることで「竹粉」という存在をより多くのひとに知ってもらうことを目指すために竹粉を使ったレシピの作成をすることです。
□■研究内容■□
竹粉について調べることから始まりました。竹粉は家畜や農業に使われるというイメージが強く、それを私たちの食生活に取り入れるのは少し…と思いましたが竹粉の乳酸菌発酵、食物繊維が豊富という点で私たちにとってプラスなことが多いことを発見し、レシピを提案することにしました。
6 月の発表では、竹粉の成分や利用法など、そして竹粉を添加したパンを作成しました。強力粉(250g) の10% を竹粉に置き換えました。焼き上がりは、表面にざらつきが見られ、独特の香りが気になりました。そのため粉の配合やその他の材料を追加することを改善点として挙げました。
今回の発表では、新たなレシピ、食べ方などを提案し試食も出したいと考えています。竹粉ってなに?と興味をもった方は是非発表を聞きにいらしてください。
チーズケーキらぶ! / シンプルなチーズケーキを” シンデレラ” に大変身!
カフェやケーキ屋さんに行くとおしゃれで鮮やかなケーキがたくさんありますね。しかしよく見てみると、チーズケーキはほとんどシンプルなデザインではないでしょうか。私は味がすごく素敵なのに、見た目が地味でもったいないと思いました。チーズケーキが大好きな思いを込めて、去年専門学校の製菓科で学んだことを活かし、チーズケーキの外見をもっと綺麗に、バリエーションをもっと豊かにしたいと考え、このテーマに決めました。
★前期まとめ
前期の発表では4 種類の具材と2 種類のチーズを使った食事用ケーキ「ケーク・サレ」を提案しました。ケーキの甘い概念を覆し、チーズを用いたしょっぱいケーキを考えました。そこでチーズと組み合わせとして考えた食材はアボカドでした。ケーキの味と外見などを工夫し、ゴージャスな一品ができました。しかし表面のドライトマトが焦げやすくなり、それからは表面をきれい改善しました。
★後期の発表
後期の発表では本格的に甘いチーズケーキのレシピ考案に挑戦してみました。前期発表会で予告した通り、今回は蜂蜜と黒糖の2 種類の食材を用いた2 種類のレアチーズケーキを考えました。
私が朝ごはんでよく食べていたハニーチーズトーストは非常に美味しいため、チーズと蜂蜜の組み合わせを連想しました。天然の転化糖の蜂蜜は特独な風味をもち、種類もたくさんあります。花、ハーブ、果物、野菜、木など様々な種類の蜂蜜からチーズケーキと相性が良い品種を選び、春をイメージしたレアチーズケーキを提案していきたいと思います。
他の国の料理を和の食材を使い、和風メニューにアレンジすることはよく見かけます。ケーキももちろん、抹茶、小豆、栗などの和食材を使用していたケーキも珍しくありません。黒蜜は和のデザートでよく使われているシロップです。今回のケーキは黒蜜の原材料黒糖を使い、白黒二色のかっこいいレアチーズケーキを仕上げていきたいと思います。
ブレンド味噌 / 新しい味噌の食べ方
■味噌は身近な健康調味料
味噌汁は塩分が高いという理由や、1 人分を作るのは面倒という理由により、毎日味噌汁を飲む家庭は少なくなってきました。しかし、味噌は大豆の発酵食品であり、様々な病気や老化の要因とされる活性酸素を除去する働きがあるのです!こんなに健康に良い調味料を味噌汁とレパートリーの少ないおかずにしておくのはもったいないと思い、和食だけではない味噌の使い方を考えたいと思いました。
■ブレンド味噌
「 あれ、味噌変えた?」と、わずかな違いだけでも味の変化に気づいてしまうほど、味噌は個性であふれています。日本には様々な種類の味噌があり、その土地の気候や風土、嗜好などによって変化してきました。加賀味噌や信州味噌など、地方の名前が付けられた味噌が多く、地域に根付いた調味料だと言えます。
2 種類以上の味噌を混ぜ合わせたものを「合わせ味噌」といいますが、もともとは懐石料理から生まれたと言われています。合わせ味噌にすると、いつもと違った味わいの料理が楽しめます。ブレンド味噌というテーマ名にした理由は、食材や季節にあわせて配合を変えるという意味にしたかったからです。おいしいみその組み合わせ方を考え、誰もが調理しやすいレシピを作成し、発表します。流通が発達し、さまざまな地域の味噌が手に入るようになった今、味噌をブレンドして料理を作ってみませんか。
■今回の発表
5 月後半に研究室で、麹の多い白味噌と麦味噌を大豆1キログラムずつ仕込みました。経過を観察し、できた味噌を使って料理を作りました。そこから味噌を手作りするメリットとデメリット、今回作った味噌の反省点を生かした手作り味噌の作り方を発表します。
味噌は調味料の中でも年々販売量が減少しています。少子高齢化や働き方の多様化などで、家庭で料理をする機会が減ったからだと思います。現代社会にあった味噌の売り出し方やパッケージについて考え、味噌のあるちょっといい毎日を提案したいと思っています。
平口 嘉典ゼミ
農村のおかあさんが地域社会に果たす役割 / ~女性グループの活動意義と今後~
【実習背景】
全国の農村女性起業数はここ数年増加傾向にあるが、内訳を見ると個別経営が増加する一方で、グループ経営は近年減少傾向にある。その理由は、主として構成員の高齢化が挙げられる。
【目的】
この実習では、減少傾向にある女性グループの現段階での活動意義と課題、今後の展望を明らかにすることを目的とする。
具体的には、埼玉県飯能市の農村女性グループ「ときめ木」の活動への参加や代表者、会員の方々へのインタビューを通して、会員の方がどのような目的をもち活動しているのか、また、「ときめ木」の活動が会員の方自身、あるいは地域にどのような影響を与えているのかを調査し、現在抱える課題と今後の「ときめ木」のあり方を探った。
【調査結果】
「ときめ木」とは、飯能市東吾野地区で活動し、今年で30 周年を迎える農村女性グループである。現在は16 名で活動し、主な活動内容はみそ加工・販売や地域イベントへの参加である。発足から現在まで活発に活動してきたが、最近では高齢化が進行し、今後の存続があやぶまれている。
代表者へのインタビューでは、「ときめ木」の活動は、会員にとって健康維持・増進になっていること、会員間で種々の知恵・知識を共有する場であること、地域イベントへの参加等から地域振興に繋がっていることがわかった。また、会員の方へのインタビューからは、「ときめ木」の活動はストレス発散の場であり、密なコミュニケーションによる癒しや精神的な支えが得られる場であることがわかった。
【まとめ】
「ときめ木」は、現在高齢化と新規会員が入らないという2 つの課題を抱えている。しかし、「ときめ木」の活動は会員にとってだけでなく、地域社会にとっても重要な意義を有していることから、今後も活動が存続していくことが望まれる。そのためには、若者が好む新しい取り組みを始めることや、「ときめ木」をより多くの人に知ってもらうことが必要である。
平田 久ゼミ
現在の犬用食品 / ~ドッグフードから手作り食まで~
皆さんは犬の食事が人間の食事に近づいていっていることをご存知ですか。右ページに示したのがその一例です。さてこの写真を見てどちらが犬の食事かわかりますか。このように見た目の違いと言えば皿、材料、材料自体の量程度であるくらい犬の食事事情は変わってきています。犬に与える食事なはずが私たちにとっても食欲をそそるような見栄えとなっています。とはいえいざ自分が日々愛犬の為に調理し与えるとなると少し手間に感じてしまうのではないでしょうか。
■動機
ペットショップに行くとその一角にハンバーグ等の犬用フードのコーナーをよく見かける。今のドッグカフェでは飼い主と犬が入店できるだけでなく、犬専用のメニューを提供する店もある。しかもその食事は単なるペットフードではなく、それなりに料理として作られている。このような傾向は愛犬家にどこまで浸透しているのだろうか。その背景を検討したいと思い、テーマとした。
■方法
・統計資料…企業や自治体で実際に調査されたデータを基とする。
・ネットによる検索…主に犬のペットサービス全体の広がりを調査する。
・書籍と資料…犬用ごはんのレシピ等、書店で購入できる本を中心にする。
・実地調査…実際に犬を飼っている方に直接お話を伺う。
■広がり
現在日本で飼育されている犬の頭数は約1000 万と推定され、世帯数は約5500万であり、約5 世帯に1 頭が飼われているという計算になる。
歴史を遡るとかつての犬の食事は犬の誕生の1 万5000 年前以来、人間の残飯から始まった。以来、この状態が長く続き19 世紀後半にはペレットが、そして今日でいう固形のフードが誕生したのは20 世紀後半ということになる。そこから考えていくと犬の食事とは定番の固形フード、ペレットからハンバーグ等の料理と種類が豊富になった。近年の犬の栄養学観点からすると固形フードが一番安心安全な食事である。ゼミを進めると所謂人間の食事に近い犬用食の出現は、飼育者の内なる希望をキャッチした企業によって新たに生み出されたという考えに至った。その背景を発表する。
平野 覚堂ゼミ
ぬくもりスープ / ─シチュエーションに溶け込む一皿─
世の中には、おいしいご飯や珍しい食べ物がありふれています。しかし、それらは身体の栄養を満たすことはできますが、心まで満たしきれているのでしょうか。
スープを食べると、心がほっとします。そのほっとするキモチと、心が満たされていく感覚は、似ています。子供からお年寄り、国籍や時間帯を問わず食べることのできるスープは、人の心にすっと入り込み、心までも温めてくれるでしょう。
▼ 主役にもなれるスープ
フランスでは、日本と違いスープは飲むというより食べると表現します。具の入っていないまっさらな透き通ったコンソメだって、いくつもの肉や野菜のうまみからできています。いくつものプロセスを踏んで丁寧に作られたスープは、やはり「飲む」のではなく、「食べる」と言いたくなるし、ひとつの立派な料理として扱われる理由がわかります。そんなスープは、身体の隅々まで安心が行き渡り、心までもほっとさせる力があるのではないでしょうか。自分の心をいつまでも、じわりと温めてくれて、キモチがふわりと優しくなるようなスープは、魔法の食べ物です。
▼ シチュエーション×スープ
一歩外に出れば、たくさんのレストランやカフェがあり、家でも様々な料理を作って食べることができます。しかし、それらの全てがその場に合った料理で、その情景に合っているのかどうかと言ったら、それはそうとは言えないのではないでしょうか。
誰もが毎日遭遇している状況、そして今現在の状況も、ある意味シチュエーションといえます。そんな当たり前の生活に少し手を加えるだけで、毎日がもっと豊かになり、生活のプラスになるのではないでしょうか。食べる環境やその雰囲気、誰かのために作るという行為やキモチ、思い出が加わることによって、その料理は完成し、味や美味しさの感じ方も変わっていきます。人々の心にすっと染み渡るスープは、情景に溶け込み、様々なシチュエーションを彩ってくれるはずです。
仲良しの友達の家でやる女子会、友達と出掛けたきのこ狩り、おかあさんの誕生日、子供たちと出掛けたピクニックなど、生活しているだけで様々なシチュエーションに遭遇します。余り目立つ存在ではありませんが、時に主役に時に脇役に、その場その場のシチュエーションにぴったりな、スープを提案します。
贈るカタチ / ─心をつつむラッピング─
「贈る」という行為には、感謝や祝福、愛情などの「気持ち」を形にする、「気持ち」を表現する、という意味合いがある。古来より日本人はその意味合いを「包む」ことで示してきた。贈り物を「包む」習慣は現代まで続いており、友人への誕生日プレゼント、祖母からもらったお年玉、母からの仕送りに入っていた野菜など、普段の何気ない贈り物に、この習慣は欠かせない。しかし、現状として「包む」という行為は形骸化し、本来伝えるべきである「気持ち」の部分が疎かになってしまっているように思う。日本の贈り物にとって欠かせない「包む」ことを見直し、現代に合わせて取り入れ、贈り手から貰い手にきちんと「気持ち」を伝えるためのラッピングを考案した。
○本を贈る
本を贈ったことのある人はどのくらいいるだろうか。本は日本の贈り物としてはあまり主流ではない。例え本を贈ったとしても、本の内容に特別伝えたいメッセージや意味が隠されているのではないかと思われ、貰い手にびっくりされてしまうこともあるだろう。なおかつ、相手のことをよく知らないと選ぶのが難しいなど、贈り手にとっても本は贈りにくいものだ。
しかし、本を贈り物にすることで贈り手は相手のことを考えて選び、貰い手は自分が知らなかった新しい発見ができる。自分が選ぶことにかけた時間は、相手がまだ知らない世界に出会う時間となるのだ。これらの感情や互いが費やす時間は、本来の「贈り物」の醍醐味なのではないだろうか。
書店へ足を運べば大抵ラッピング制度が用意されているが、残念ながらそれらは贈り手から貰い手への気持ちを運ぶことが出来ていないように思う。贈り物としての本の包みを見直すことで、本は贈りにくいものではなくなるのではないかと考えた。
日本の本と深い関係性を持つブックカバーや帯などを活かしたラッピングで贈り物を包むことの奥ゆかしさを生み出し、贈り手にも貰い手にもラッピングの意味や楽しさを味わってもらいたい。また、日常における何気ない贈り物に目を向けるきっかけになってほしい。
暮らしにとけこむオノマトペ / ─わくわく、もぐもぐ、いただきます─
「卵かけごはんを食べながらコーラを飲んでいる女子高校生が『卵で口がまったりしたところをシュワ―とコーラが流れていく。これがおいしい!』と言っているのを耳にした。」これは中学校時代の国語の教科書で出会った早川文代さんの一節。ここでは「まったり」と「シュワ―」のオノマトペが存在している。この一文を聞き「パッ」とその情景が想像でき、オノマトペの表現力の豊かさに気づかされた。
◇ 暮らしにとけこむオノマトペ
ふわふわ、キラキラ、にこにこ、わくわくなどオノマトペは日常生活であたり前のように使われている。オノマトペとは擬音語と擬態語の総称。英語は200 ~ 300のオノマトペに対し日本語は4000 を超え、食べ物や食感に関するオノマトペは100 種類を超え世界一として認定されている。今や食品のパッケージや飲食店のメニューではなくてはならない存在だ。
オノマトペは固い日本語をやわらかくしたり、音や状態、表情や感情などを短く、簡単な言葉で表現できる。微妙なニュアンスや意味を伝える力もある。人やシチュエーションに応じて変化していく面白さやコミュニケーションツールのひとつとして
ユニークに発揮される。歴史深く、時代と共に変化し新しいオノマトペが生まれていく現代で、オノマトペは私たちの生活の可能性をも広げていく。
◇ オノマトペの本質
日本語の50 音あいう〜とひとつひとつにも意味があるということを知っているだろうか。それを素語という。この考え方からオノマトペを構成する文字そのものに着目し、そこから新しいオノマトペの可能性をつくりだす。また、世代や属性などそれぞれ人によって違うオノマトペを持っている面白さについて。子どもっぽいと思われがちなオノマトペだが微妙なニュアンスや意味を使いこなしているのは大人なのでは?
身の回りにあるものをオノマトペの視点から見つめ直すことで「オノマトペの面白さ」を伝え「オノマトペの力、可能性」を広げる。あたり前に使われていて目に見えないオノマトペの面白さを、文字や写真などの目に見えるカタチに起こすことで、新しい発見や人それぞれのオノマトペを楽しむきっかけにつながるのではないか。このように食だけではないオノマトペの見方考え方を新しいカタチで伝える。
スーパーマーケットラボラトリー / ─コミュニケーションのある買い物とは─
毎日の食卓の形成に、今や欠かせないスーパーマーケット。鮮度の良い野菜や果物、下処理されてすぐにでも使える肉や魚、調味料から嗜好品まで大体の物は揃えられている。スーパーがまだ発展していなかった時代は、八百屋、魚屋、肉屋などそれぞれの商店を何軒も回って買い物していたのだから、それが一度で済むのならばこれに越したことはない。現代社会において、時間の効率化はとても大事である。子育てと仕事の両立で忙しい主婦や、夜遅くまで働いている会社員にとって、コンビニエンスストアよりも安価で豊富な品揃えのスーパーは有り難い存在のはずだ。
しかし、我々は便利すぎるということに慣れてしまっていないだろうか。確かに商店街での買い物は色々な店を回らなくてはいけない。だが、それが当たり前だった時代はこれが面倒で非効率的なことだったとは誰も思わなかっただろう。今でもなお、活気のある商店街はいくつもある。それどころか、人はスーパーにはなんとなく行きがちだが、商店街には「わざわざ」目的を持って行っているように思える。この違いはなんだろうか。商店街にはどんな魅力があるのだろうか。
この差は、買い手と売り手、販売者と消費者のコミュニケーションにあるのではないだろうか。スーパーで店員と接する機会は主にレジでの会計、商品の場所を尋ねるくらいで必要に迫られない限り、人は黙々と買い物をする。対する商店街では、そのほとんどが対面販売であるため店主との会話が必須となる。例えば肉屋では、スーパーのように肉がパック詰めされていないために求めている量や部位を伝える必要がある。この少しの会話があるかないかの差は大きい。これによって、「ヒト」を通じて「モノ」を買っているという意識が強まる。
他人との関わりが希薄になっているがゆえに、人々は「ヒト」を求めて商店街に行くのではないだろうか。ネットショッピングや自動販売機でさえ食品が買えてしまう今だからこそ、あえて人と人との距離感の近い場所で買い物ができてもいいのではないか。あまり便利で効率的ではないかもしれないが、そこには時間に替えることの出来ないものがあるのではないか。
ここでは、人をより密接に感じることのできるスーパーマーケットを、空間設計の観点から提案する。そこから、毎日の買い物を少しでも有意義にしていく方法を考える。
Cooking Fly! yeah! / ─きっかけは一枚のフライヤーから─
今の世の中、料理をしなくてもご飯ならどこに行っても食べることができます。例えばカフェ、レストラン、コンビニなど。包丁を一生持たなくても美味しいものが得られる環境になりました。そんな人たちは料理をする楽しさや面白みを知らないで日々を生きているのではないでしょうか。普段料理をしなくても、何かのきっかけで突然料理を作ってみたいと思った事はありませんか。そんな方にはこのクッキングフライヤーを贈りましょう。フライヤーとはチラシのことを指します。
料理というと皆、「時間が無いから」「正直、面倒くさい」「作ろうと思ったが怖かった」といいます。しかしそんな人たちも健康志向になりつつあります。コンビニのご飯にですら健康な食事マークというのが導入することが決まったこの世の中。それなら料理を自分で作った方がよっぽど健康的になれるのに…。倹約家になりつつある日本人にはもってこいの方法だと思います。
こんなにもいい事尽くしの料理、いいなと思いませんか?でも実際にするとなるとなかなか始める人が多くないのが現状です。確かにやったことのないことに挑戦するのはとても勇気がいります。料理は刃物を持つし、魚を触る可能性もあります。
ですがそこにクッキングフライヤーを登場させましょう。
このクッキングフライヤーにはわたしがこの料理のここを好き、見て欲しいという瞬間をいくつか収めています。「そういえばこの料理はこのシーンが良かったからやってみようかな」「ここが面白かったから作ってみるか」そんな少しの気持ちがこのクッキングフライヤーをみて思って頂けたらと思います。料理は楽しさ・面白さを見つけてしまえばストレス発散になり、いつの間にか明日のご飯が、お弁当のおかずができていたりと一石二鳥です。
もちろん毎日料理をする必要はありません。たまには外食、というのも生活には必要なこと。その食事をするという時に“ 料理を作る” というオプションがあなたの中で生まれてくれたらこのクッキングフライヤーも生きていくでしょう。
料理をやろうかなというきっかけのためでもよし、コレクションとしてとりあえず手にするもよし。料理をする楽しさが一人でも多くのひとに届くような料理のフライヤーを提案します。
今昔食図鑑
すべての食べ物には多くの情報が含まれている。
私たちはモノとしての食べ物だけではなく、情報も一緒に食べているのだ。
現在の日本では流行の洋服や音楽のように、食べ物までもが激しい流行り廃りを繰り返している。どの飲食店を見ても同じ業態の店やメニューばかりが目立ち、それ以前のものは流行遅れと見なされるようになった。
食べ物は新たに“ 新しい” という価値観を持ち、もはや私たちにはコントロール出来ないほどのスピードで移り変わっていく。
そんな中、世間に忘れられかけている元の食べ物たちは、流行りの食べ物たちの陰で肩身の狭い思いをしているのではないか。飲食店などで何気なく食べている料理の元の姿や歴史を、私たちはどれだけ知っているのだろうか。
ここではそんな普段日陰の存在である彼らにスポットを当て、常に新しいものを求めて消費してきた日本文化への危惧と皮肉を込めて、それらの食べ物を“ 絶滅危惧食” と呼ぼうと思う。
それらの表現方法として、イラストと簡略化した情報を一度に見ることが出来る図鑑という形で、食の過去と現在をテーマに今昔食図鑑を製作することにした。
■今昔食図鑑とは
この図鑑は、日本における食の流行の中で忘れ去られてしまいそう、またはすでに忘れ去られている食べ物、特に進化の過程で元の姿をとどめていないものを中心に時の流れと共に移り変わる食の歴史や変化をまとめ、元の姿と思われる料理を提示したものである。
図鑑に載っている食べ物をみて、「そうそう、こんなのもあった」と懐かしんだり、「元はこんな姿だったのか」と新しく発見するなど、改めて食に対する興味を持って、見た人に豊かな食生活を送ってほしい。図鑑は発表にて、公開します。
ボタニカルパン製造所
ボタニカルパンとは植物を自ら採集し加工した特別な植物のパンです。果実や野菜も植物として扱っているので、中にはスーパーに並んでいるものもあります。スーパーに行けば手に入るのにわざわざとりに行くのは面倒かもしれません。買うことは簡単ですし、店先には季節関係なしに果実や野菜が並んでいて、夏のものが平気な顔をして冬に並んでいるときもあります。いつでも大体のものが揃っているのは便利ですが、その反面季節を感じることが少なくなり、果実や野菜がどのように土に根をはり実をつけるのか想像をする機会もありません。
わたしはボタニカルパンを作り始めて、歩いていても自転車に乗っていても上を見るクセがつきました。上を見るのは、何か果実がなっていないかみるためです。いつものように上をみて歩いていたら、この間木にキウイフルーツがなっているのを見つけました。人の家の木だったので手にはとれませんでしたが、私はキウイフルーツが木になることを知らなかったので、新しいことを見つけて嬉しくなりました。なりものをみつけると、とても得をした気になりわくわくします。ボタニカルパンを通して、店先に並んでいる果実や野菜の植物としての姿や、店先には並ばないけれど実は食べられる植物をパンやお菓子にすることで知ってもらえたらと思います。
去年の秋に蒔いた小麦を刈り、脱穀し製粉しました。何気なく食べている小麦も手作業で作り出すと、ものすごく時間がかかることが労力となってわかり大切に食べようと素直に思えます。今回は、その小麦を使用したパンはもちろんお菓子もあります。パンもお菓子も植物が主役なので、シンプルな材料で素朴に仕上げています。6 月の発表で紹介した植物に加えて、蜂蜜の採集なども行い、新しいものも増えています。
寒くなる前に、森でボタニカルパン製造所を開店させました。この製造所には、喫茶も併設してあり小さな机とイスもあります。都会でのあれこれを忘れて、パンを食べに来て欲しいです。
今日のGOHAN!!! / ─迷ったら、このアプリ─
私たちはごはんを選ぶとき、何気なく選んでいるつもりでも、そこには何かの理由がある。それは、季節・旬のもの・天気などの環境的な要素、体調・気分・好み・健康・栄養などの個人的な要素、前に食べたものとの関係性・一緒に食べる人のチョイスなどの状況的な要素、さっぱりしたものとか、こってりしたものとかの食べ物のトーンなど。必ずしも栄養がそろったごはんだけがベストではないのだ。しかし、本当に私たちは自分にぴったりな食べものを探せているのだろうか。
日本人の約3 割は1 人暮らしをしている。毎日ごはんを食べるのに、自分のために毎回違ったメニューを考えることは大変だし面倒くさい。やっと料理をするとは決めたものの、何を作るかが決まらずスーパーの中をうろうろ、そんな経験はないだろうか。一度は、自分の代わりに誰かが考えてくれたら、と思ったことがあると思う。私もそのひとりだ。そこで、簡単にメニューを決められるツールがあったら便利なのではないかと考えた。
ターゲットは1 人暮らしをしている女子大学生。目的は、このアプリを使用することで、自分は何を食べればいいのかわからない!という悩みを解消すること。楽しく的確なメニューを選べるよう工夫がされている。アプリにした理由は、スマートフォンが既に世の中にかなり普及していることや、年齢・男女に関わらず使用されているため。また、アプリであれば家にいても、外出していてもいつでも使うことができ、便利だと考えたためだ。
私は、“ 誰かに決めてもらう” というところに着目し、手軽に楽しくメニューが決められるアプリを考えた。自分のためだけにごはんを作るのが面倒だと思っていても、もしも誰かのために作ってあげるとすれば、話は違ってくるのではないか。ましてや、自分の彼氏に作るとしたら? このアプリは、あなたの彼氏がアプリの中に住んでおり、会話のような5 つの質問に答えると、あなたにぴったりのごはんを彼がリクエストしてくれるというものだ。
しのえの食ラジオ。 / ─夜中に聞きたい、一人ごはんにラジオ。─
夜中にごはんを食べる──。
朝食、昼食、おやつ、夕食、夜食…食事は食べる時間帯によって食べるもの、食べる場所、人数、作るのか、買って食べるのか、何をするかなどいろんなものが異なってくる。夜食は、そのなかでも何時に食べるかを含め、選択肢が多種多様である。
夜食は、大抵の場合一人である。本を読みながら、音楽をかけるなど自由気ままな時間を過ごすことができるのではないだろうか。一方、何か物足りなさや寂しさのようなものを感じることもある。また、おなかを満たすだけの作業的な印象を感じたりもする。夜の雰囲気がそうさせるのかもしれないし、一人で食べるということがそう感じているのかもしれない。逆に言えば、夜中独特のテンションや雰囲気があり、夜にしか味わえないものがある。夜中にはさまざまな物語やドラマがあり、新たな発見や可能性が潜んでいる。
最近では、深夜枠のテレビで食べ物関連のものが多くみられる。深夜のドラマやバラエティー番組に食べ物がでてくるのは当たり前となっている。たとえば夜のラジオに食ラジオがあったらどうだろうか。
『しのえの食ラジオ。』は、夜食を食べる時のおともとして制作している。
夜食そのものを否定するでもなく、食事内容を変化させようとも思っていない。夜食の新たな楽しみ方を、選択肢を提案している。きいていて少しでもほっとしてもらえたり、楽しんでもらうことを目的としている。コーナー内容のほとんどが食に繋がるもので、胃袋を刺激したり、しなかったり。また、ラジオという音のみにすることによって、目の前の夜食をないがしろにせず、食べることができるのではないだろうか。
前回の発表では、この『しのえの食ラジオ。』を始めたばっかりで、完全なる完成形とはいえない。終わってはいないのだ。
今回の本発表では、今までの食ラジオを、より『しのえの食ラジオ。』にすべく、これまでのコーナー内容に加え、より楽しんでもらえるよう新たなものをくわえてお送りする予定だ。
ケーキコトバ / ─伝えたいことをケーキに─
伝えたいコトバが必ずしもいいコトバとは限らない。中には、恥ずかしいことや注意したいこと、怒っていることを伝えたいけれどそのコトバが言いづらかったら、口から出して伝えるのは難しい。そんな伝えたいことを伝えられるようにしたのが、このケーキコトバである。
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誕生日やクリスマスなどの行事の時に買われるケーキには、メッセージ性がある。そのケーキのメッセージ性を活かして、普段何気ないときに買うケーキに気持ちをコトバとしてつけるのである。メッセージがたとえ伝えにくいものだとしても、ケーキの少しの手軽さと、ケーキの甘さによって、無理なくそれを伝えることできる。伝えにくい怒りの感情で、出てくるコトバが真っ黒なコトバだったとしても、ケーキの甘さと華やかさが気持ちを楽にさせてくれるのである。
□ケーキコトバとは
ケーキコトバは、ひとつのケーキにひとつにコトバがついている。だが、直接ケーキに書かれているわけではない。伝えたい気持ちや言いづらい気持ちを、ケーキのデコレーションやかたち、色などで表しているのである。
そして、そのケーキは、相手に伝えたり自分の中で消化させたりするために買われていく。コトバは、伝われば伝わったで、伝わらないなら伝わらないでかまわない。伝えたいけれど言いづらくて、もどかしくなってしまった自分の中にある想いをケーキにのせて渡せれば、それだけできっとすっきりするのである。すっきりするだけでも、目的は達成されたと言ってもいい。また、このケーキは、自分が買って渡すほかにも、自分の中に留めて解決させるという方法もあるので、渡さずに食べることもありなのである。
そんな、伝えたいケーキコトバの選び方は、普段の会話から聞こえてくるようなものである。これはきっと口からは伝えられないであろう、時にはいつものことすぎて言わなくても大丈夫だけど、気になるから、というものを選び、ケーキにした。
ケーキコトバで、恥ずかしい気持ちも、怒っている気持ちも、心配している気持ちも伝えられたら、清々しい気持ちになれるのである。
Tokyo CoMection / ─食べものとファッションの融合─
服のデザインに、お米のシルエットをクラシカルに取り入れた作品を作った。これまでは、食べものたちの質感や形に重点を置いた服を作ってきたが、今回はそれらを無視し、食べ物のシルエットだけを服のラインに取り込んでデザインした。
柄以外の要素で食べ物がデザインされている服を着ている人は身近にはいない。服の形そのものに注目しても、ある程度同じラインの服を着ている人がほとんどで、シャツやパンツなど一定の型があり、色は違えども同じものを着ている人が多い。食べ物の形がポップなプリント地としてだけでなく、フォーマルな服のラインになったら服の幅も広がるのではないだろうか。
「かわいい」と簡単に表現しがちな食べものを自分の言葉で表現してほしいということを6月の発表では伝えたが、全ての人が「かわいい」と言わずに表現することは難しいようだ。そこで「かわいい」という表現方法を受け入れて噛み砕き、美しさや綺麗さ、クラシックさなどのハイカルチャーなものにできないか考えた。
私たち日本人にとって一番身近な食べものはお米である。お米は白米としてそのまま食べられる事もあるが、炊き込まれたり味付けをされたりと様々な変化を加えられて食されている。また、一粒で食べものとして存在している事はほとんどなく、大体がごはんとして集団で食べられている。この2つのことから今回は自然が生み出した、人間には作り出せないお米の形と、お米の様々な形態をコレクションという集団で提示する。
服のシルエットとは、服の形や服をコーディネートした際に出来る形の総称のことで、形のパターンやラインなどからできている。食べものは服にプリントされる時、そのほとんどはキャラクターのようにイラストとして描かれているため、食べ物が持つ形への解釈が見失われてしまう。食べ物のシルエットを服のラインにすることで、食べ物のシルエットが服のプリントのようにポップなものだけではなくフォーマルな服のラインにもなり得ることを知ってもらう。
味覚を展覧する
「味をみる」という言葉があります。「みる」とは、感覚を通して調べる、試す、確認する、体験するという意味を含みます。私たちは料理や食材を味わうとき、味覚を通して食材の生命力や料理のコンセプトをみることができます。
しかしながら今日、人々は「おいしい、おいしい」を乱発していながら、本当の意味で味を「みる」という機会にほとんど恵まれません。どんな食品でも、おっかなびっくり口にすることはきわめて稀です。飽食の時代の都市生活で、私たちはどれだけ真剣に「味わう」ことが出来ているでしょうか。本当の意味で味を「みる」ための場所を作るべきではないか。そんなことを考えたのが、この展覧会のきっかけです。
『味覚の展覧会』では、味覚を使って作品を回覧することができます。とある情景に対して、そこから連想される味覚を食品に溶かし込んでいます。
味わうという行為は、想像が大きな割合を占めます。何かを食べたいと具体的に想像した時点で、味わうという行為のほとんどは完了してしまって、残りは確認作業に過ぎません。従ってこの展覧会には、あなたがかつて味わったことのないような、特殊な味覚を展示しています。
今回の作品は、和菓子の菓銘からテーマを借りて製作します。
情景に由来する菓銘には、さまざまな情報が織り込まれています。和菓子の世界には静寂と安らぎがあり、洗練され、贅沢かつ侘しく、高貴な和の心があります。その心を汲み、嗜好品のチョコレートで表現しました。
この味をみて何を感じるかは、人それぞれです。
食べ物を食べるとき、私たちは無防備になります。摂食するということは、自分以外の何かを体内に受け入れるということで、そこから伝わるメッセージや生まれるコミュニケーションは必然的に強いものになります。
作品を味わって、秋の落ち葉や、雨の雫、障子のにおい、蚊取り線香を思う人がいるかもしれません。あるいは、異国の風土や文化を感じる人がいるかもしれません。いずれの味覚も、きっとあなたの記憶を呼び起こし、感性に触れるでしょう。
味覚の展覧会へようこそ。
松田 康子ゼミ
hana café / リピーターを増やす空間づくり
今年の松田ゼミは「居心地の良い、落ち着けるカフェ空間」をコンセプトとして、1 年間シフォンケーキを中心としたカフェの営業を行っています。このコンセプトをお客様に伝えるためにはメニューや盛り付け、内装、接客などたくさんの方法があると思いますが、私はその中でも内装を主とするカフェの空間づくりに力を入れ、居心地の良いカフェ空間を目指して営業を行いました。
* hana café *
私たちはコンセプトを「居心地の良い、落ち着けるカフェ空間」と決めましたが、それとともに、「お客様に味だけでなく『カフェ』という空間も楽しんで頂きたい」
「お客様の心に花を咲かせられるようなお店にしたい!」という考えから、季節の花を取り入れることで季節を感じられるお店にしたいと思いました。そこで店名を「hana café」とし、花をテーマとした店づくりをすることに決めました。
*リピーターを増やす*
「リピーターを増やすためにはどのようなお店にしたら良いか」を自分なりに考えた結果、お客様が飽きないお店を作ることで何度も足を運んで頂けるのではないかと思いました。そこでhana café では月ごとにメニューや盛りつけが変わるので内装も季節に合わせて変えることでより統一感が出て、お店全体の雰囲気で季節を感じていただき、何度も足を運んで頂けるのではないかと考え、毎月季節に合わせて内装を変えて、何度も行きたいと思えるような空間作りを目指しました。
*店内づくり*
私たちが目指すコンセプトに合ったカフェ空間にするため、シンプルでナチュラルな店内にすることを心がけました。そんな中で私たちらしいこだわりのお店にしたいと思い、4 月は桜のピンク、5 月は新緑の緑、7 月はひまわりの黄色、9 月はマリーゴールドのオレンジ、10 月はスターチスの紫、そして11 月はポインセチアの赤をテーマとして、テーブルクロスやランチョンマット、ガーランドなどを毎月のイメージカラーに合わせて一つ一つ布から手作りしました。また、店内の装飾にも毎月のイメージに合わせて生花や造花などを使うことで、お客様により季節を感じていただけるよう工夫し、11 月までで計9 回、香友会館のミニホールでカフェの営業を行ないました。
hana café / 美味しさのひみつ
* hana café
毎月、学内(香友会館)でシフォンケーキをメインとしたカフェの営業を行っています。私たちは、「お客様の心に花を咲かせたい」をテーマに、居心地のいい空間を目指し願いを込め、店名をhana café と決め計画を進めることにしました。
* Café 巡り
お店づくりのためにまず行ったのは市場調査です。昨年の7 月から現在もカフェ巡りを行い、カフェに必要な要素について考えました。値段を基準に料理の美味しさや、見た目、店内の雰囲気などを比べ評価しました。カフェ巡りをして気付いたことは、店内の雰囲気や料理の美味しさ、見た目、価格などトータルで満足できないと再度行きたいと思えないことです。その中でも私が特に気になったのは美味しさです。hana café ではシフォンケーキの美味しさの追求をすることにしました。
* chiffon cake
松田ゼミで提供しているシフォンケーキの特徴は、ベーキングパウダーを使わず、メレンゲの力のみで膨らませています。メレンゲをしっかり作らないと膨らまないので難しく、その為、何度も試作を繰り返しました。
hana café では月のテーマに合わせた花や果物等を使ったシフォンケーキを提供しました。4 月…桜、抹茶、5 月…狭山茶、はちみつレモン、7 月…マンゴー、バナナ、9 月…キャラメルりんご、栗、10 月…黒ゴマ、かぼちゃ、ハローウィーン、11 月…チョコレート、ベリー、スノーホワイト
また、hana café で食べたシフォンケーキを家でも作れるように、レシピの配布を行いました。レシピを作るにあたって、普段お菓子を作らない人でもわかるように、手順ごとの写真を多く載せました。シフォンによって材料が変わるので、それに合わせてレシピのデザインも変えました。
今回は、7 月~ 11 月に提供したシフォンケーキをどう美味しく作っていったかについて発表し、カフェに必要な要素の評価のどこに、hana café が位置するかを考察します。
hana café / デザートプレートにおける盛り付けについて
☆研究動機☆
私はレストランやカフェでデザートを注文した時、お皿に可愛く盛り付けされて出てくるのを見ると、とてもわくわくします。食べるときの満足感のためには、味だけではなく、見た目の盛りつけも重要だと考えていました。盛り付けをする上で、重要なことは何だろう?ポイントはなんだろう?と考え、実際に自分でデザートプレートの盛り付けをカフェ(hana café)で担当し、どのように盛り付けすれば華やかになるのかを検証したいと思ったのがテーマ動機です。
☆実習内容☆
私達、松田ゼミが運営するhana café のイートインで提供するデザートプレートの盛り付けを考え、実際に提供させていただきました。hana café では、四季を感じて頂くため、花や食材、内装も季節に合ったものを選んで運営しています。前期は月1 回の営業でしたが、後期は月2 回の営業を目標にして活動しています。
お客様に季節感を感じて頂く為には、盛り付けや食材の取り合わせとともに、味の組み合わせももちろん豊かな気持になるように考えました。その為にデザインを考えて彩り、シフォンケーキを置く位置、お皿の形や大きさについても考えました。これらを考慮しながらシフォンケーキの味1 つ1 つに合った盛り付けとなるようにしました。
盛り付けをする際に使ったのは、メインとなるシフォンケーキの他に、ソースや生クリーム、パウダー類、クッキー、ミントなどです。これらを組み合わせていくことにより、華やかなデザートプレートが出来上がります。今回の発表では、後期で営業した時に提供したデザートプレートをいくつか紹介して、どのようにすれば華やかでワクワクするプレートを提供出来るかを発表します。
☆まとめ☆
デザートプレートの盛り付けは、組み合わせによって1 つ1 つ違ったプレートにすることが出来ました。自分がイメージしていた盛り付けが実現できたときの喜びや、お客様からの嬉しいご意見がダイレクトに味わうことのできた実習でした。
hana café / 卵黄を使ったレシピの提案
hana café のふわふわなシフォンケーキを食べたことがありますか?
hana café のシフォンケーキはベーキングパウダーを使用しないのが特徴で、卵を多く使います。使用する卵の分量は卵白180g (5 個分)、卵黄70g(3 個分) です。ふわふわで弾力のあるシフォンケーキを作るには、たくさんの卵白を使用してしっかり立てたメレンゲが欠かせません。卵白を多く使う分、使わずに残ってしまう卵黄がたくさんあります。
営業時には毎回15 台程のシフォンケーキを焼くので約30 個分の卵黄が余ってしまいます。それを捨ててしまうのはもったいない!そんなシフォンケーキを作るときに余ってしまう卵黄を使ったおしゃれでかわいいレシピを提案します!
〇卵黄レシピを考えるにあたって〇
卵黄を扱うために、まず卵黄の特徴をまとめました。卵黄はひとつ66 キロカロリーと卵白に比べて少し高めです。しかし、鉄、ビタミンA、D, レシチンが卵白よりも多く含まれています。また、四群点数法に分類すると1 群に含まれています。
栄養豊富な万能食品とも言われています!
〇卵黄レシピと全卵を使用したレシピの比較〇
卵黄のみを使ったものと全卵を使ったものを作り、味や食感見た目の比較をしました。見た目はあまり変わらないが食感に大きな差が出ること、卵黄の濃厚さが合うものやそうではないものがあると分かりました。
〇今まで提案した卵黄レシピ〇
・クッキー(5 月から11 月までの毎月のプレートにその月のテーマやシフォンにあった味、形のクッキーを添えて提供、テイクアウトで3 種類のクッキーを6 枚 200 円で販売)
・カスタードクリーム(7 月に提供したアレンジケーキのトライフルに使用)
・プリン(7 月にバニラシフォンのプレートに添えて提供)
・スコーン(9 月にカップケーキに添えて提供、テイクアウト販売)
11 月の営業では、卵黄レシピのプレートを提供する予定です!また、12 月の発表会では、今まで営業で提供してきた卵黄レシピだけでなく、提供できなかったレシピも含め発表し、一冊にまとめたレシピブックを配布します!
hana café / シフォンケーキの生地を使ったアレンジケーキの提案
私たち松田ゼミでは、「お客様の心に花を咲かせたい」というコンセプトで、シフォンケーキをメインとしたhana café を営業しています。
♯アレンジケーキのきっかけ♯
私がケーキ講師の仕事をしているときに、レシピ以外のことを生徒さんに教えると「知らなかった!」「家に帰ったらやってみよう!」という声を聞きます。そんな経験・体験から、定番のケーキを応用する、沢山のアレンジ方法を知ってもらいケーキ作りをもっと楽しんでもらいたいと思いました。そこでカフェではシフォンケーキをテーマに営業をしているので、シフォンケーキの生地を使ったアレンジケーキを提案しようと考えました。
♯コンセプト♯
「シフォンケーキを違う視点で楽しんで頂き、季節を感じてもらう為に季節の花と果物を使い季節を感じて頂く」というコンセプトで毎月のカフェの営業時に旬の果物を使ったアレンジケーキを提案することにしました。
♯アレンジケーキが出来るまで♯
シフォンケーキのふわふわな食感をどう活かしてアレンジケーキを作るのは、考えるのも、それを形にするのも大変でした。アレンジケーキということで、使う型が同じでは面白くないと思い、基本のシフォン型以外に、ロールケーキ型・マフィン型などを使い、さらにひと手間加えてと考えてきました。ネットや本でヒントとなるものを探しても、ロールケーキ生地やマフィン生地の配合はありましたが、シフォンケーキ生地を使ったレシピはなかなか載っていませんでした。ですので、生地の配分や焼き上がったときの厚さなどを一から考えて、イメージ通りのアレンジケーキになるまで何度も試作を繰り返してきました。とても大変でしたが、次々に自分の思い描いたアレンジケーキが出来上がっていくことがと
ても楽しかったです。
発表会では各生地から、どんなアレンジケーキが出来上がるのかを発表しますので、楽しんでさらに皆さんが作ってみようと思って頂ければと思っています。
デザートフルコース / 季節を伝えるおもてなし
みなさんはデザートフルコースをご存知ですか?それは見た目も味もスイーツ!全てが皿盛りデザートで彩られたフルコースです。今回私が取り上げるのは、オードブル・メイン・ファイナルの3皿がデザートのみで構成されたものです。
・オードブル:軽い、冷たいデザート
・メイン:比重が重いデザート、温かくても良い
・ファイナル:小菓子を盛り合わせ、お茶と楽しむ一皿
■きっかけ■
3 年生の学内留学時に食べたデザートフルコースは、美味しいだけでなく流れを考えて作り出されたメニューでした。実際に初めて食べみて、デザートの提供の仕方に魅力を感じてわくわくしました。そして、それを専門学校で習ったことを参考に自分でも作ってみたいと思いました。
「日本を伝えるおもてなし」というサブテーマで始めました。日本の良さを伝える、日本を感じられるように和素材を使って、四季を表そうと考えていました。しかし、いろいろなメニューを考えたり、hana café で季節のシフォンを作っているうちに、全てのメニューに和素材を取り入れるのではなく、旬のものを使って表現したいと、やりたいことが絞れてきました。そこで「日本」というワードではなく、現在のものに変更しました。
■ hana café 特別営業■
自由に考えられるのは食文化のゼミの特徴です。そこでシフォンケーキをメインとしたhana café の通常営業ではなく、自分が考えたデザートフルコースを提供し、評価を受けたくて特別営業を行いました。提供したのは最も試作が進んでいた『夏』のコースです。右ページの写真のものを提供したのですが、オードブルはグラスを活かしたきれいな層の見た目に、メインはトウモロコシと他の素材の組み合わせ、ファイナルでは松田ゼミのシフォンを筆頭に、味が被らず1 つ1 つの味を楽しめるよう工夫しました。
どんな試作をしてきたか、実際に食べて頂いての感想、アンケートなどを中心に、またデザートフルコースの『夏』以外のメニューなどについても発表します。
Chocolate / いろいろなカタチ
◆目的◆
私は昨年度、学園内留学制度を利用して製菓科に通いました。授業の中で、先生が高さ約1mにもなるチョコレートのピエスモンテ( 大型工芸菓子)を作る所を間近で見てチョコレートに興味を持ちました。そこで私はチョコレートの歴史などを調べました。そして、実際にチョコレートを使ってメニューを考え、松田ゼミで運営するhana café を通してチョコレートスイーツの提供を考えました。
◆実習内容◆
1. チョコレートの歴史
チョコレートの主原料であるカカオ豆は、少なくとも今から500 年以上前の15世紀の古代メキシコにあったアステカで飲み物として飲まれていました。苦味があり刺激の強い飲み物でしたが、身体的・精神的健康が得られる薬用飲料として重宝されていました。貴重品だったカカオ豆は、お金の代わりにもなったといいます。
2. 今日のチョコレート四大発明
〈第一の発明(1828 年)〉ヴァンホーテンによってココアパウダーが誕生
〈第二の発明(1847 年)〉フライ・アンド・サンによって固形チョコレートの誕生
〈第三の発明(1876 年)〉ダニエル・ピーターによってミルクチョコレートの誕生
〈第四の発明(1879 年)〉ロドルフ・リンツによってなめらかな口溶けチョコレートの誕生
3. チョコレートスイーツの提供
チョコレートを使っていろんなカタチのチョコレートスイーツを考えました。
ボンボンショコラ、ムース・オ・ショコラ、フォンダンショコラなどのいろんなチョコレートメニューを考えて試作を繰り返し、通常のhana café を通して提供をしたり、特別営業でチョコレートスイーツを予約制で提供したりました。
◆まとめ◆
チョコレートの歴史を改めて調べることで、チョコレートについてより深く知ることができました。チョコレートスイーツの試作をするにあたり、苦労したこともたくさん有りましたが、繰り返して試作をする事で技術の向上にもつながりました。実際に、どのようなチョコレートスイーツを提供したのか発表会で報告します。
宮内 正ゼミ
カフェでみんな何してる? / カフェ空間と店内行動
みなさんはカフェで何をして過ごしますか? 飲食はもちろん、友達とのおしゃべりを楽しんだり、仕事や勉強に励んだり、または何もしないでただぼうっと心を落ち着かせるためにカフェを利用する人も多いのではないでしょうか。実際、カフェに入り、ふと周りを見渡すと、じつに様々な人がいることに気がつきます。
しかし、どこのカフェでもこのカフェと同じように様々な人がいるでしょうか?
たとえば、周囲がみな勉強、仕事、読書などに勤しんでいる静かな店内だとしたら、あなたは友達とのおしゃべりを思いっきり楽しむことができるでしょうか?
おそらく周りに気を使い小さな声で話すか、さもなければ店を出るしかないのではないでしょうか?
このように、外から見ればどのカフェも同じように見えても、一歩中に入ればそれぞれのカフェごとに全く違う空間が広がっているのです。
【テーマ】
いつも何気なく利用しているカフェ、とくにチェーン店はどの店舗も同じだと思っていました。しかし様々なカフェをフィールドワークしていくうちに、それぞれに特色があり、利用客の層も違えば、利用目的も違うということに気が付きました。今回の研究では、ついに47 都道府県すべてに出店した「スターバックスコーヒー」をモデルとし、店舗によってどのような特色があるのか、土地や客の店内行動がカフェ空間に与える影響を、フィールドワークを通して考えていきます。
【目的】
一見同じに見えるカフェでも、よくよく観察してみると全く違うものだということを解明し、自分の利用目的にあった店舗を見つけてもらいたい。また将来カフェ経営を目指している人に、カフェ空間を作り出すのは内装や料理だけではないということを知ってもらい、どんな場所に出店したらどんなカフェになるのかという、出店場所を決めるときの参考にしてもらえたらと思います。
カフェ:知らない人の集まり / 知らない人たちのなかで落ち着けますか?
カフェは多くの人に「落ち着ける場所」として利用されています。ここで言う「落ち着く」とはいったいどのようなシーンでしょうか。たぶん誰もが「お気に入りの場所で誰の目も気にせず一人で過ごすことができる」というシーンを思い浮かべるに違いありません。
さて自分の場合はどうだろうか、と考えてみると、正直言って私は今までカフェに一人で休憩しようと思って入って落ち着けたためしがありません。“ カフェで勉強したりスマホを操作したりして時間を過ごし、結局は頭と目を酷使して疲れて店を出る” とか、“ すぐに周りの目を気にしてソワソワしはじめ、あっという間に飲み物を飲み終わり、そのうちに「容器が空になっているのに居座るのもなあ……」となんだか後ろめたい気持ちになり、あわただしく店を出る” といったことの繰り返しです。でもこれって当たり前のことではないでしょうか。だってカフェはひとつの空間にどこの誰かわからない人たちが一緒に時間を過ごしているのですから。
にもかかわらずなぜ私たちはカフェを選ぶのでしょうか。ファミリーレストランに行ってもコーヒーは飲むことができます。「おいしさが違うのだよ」と言われればそれまでですが、本当にそれだけでしょうか。最近ではマクドナルドやコンビニエンスストアでも安くて美味しいコーヒーを買うことができます。カフェには「おいしさ」以外に何か魅力があるに違いありません。
私たちは一人でいると周囲に敏感になり、集団になると鈍感になります。カフェには一人で利用する人もいれば複数で利用する人もいて、自分の意志では自分の好きな空間を操ることができません。「少し静かにしてほしいな」と思ったこと、逆に「話をするたびににらまれる」といったことはありませんか。多少の「不満」を抱えているのにそれでもカフェを選ぶのはどんな理由があるのでしょうか。
たとえば、知らない人たちの空間の中に溶け込むことでふだんの自分とはどこか違った感覚や気分になる、という経験はないでしょうか。「何らかの行動を取った人物がどこの誰かわからない状態の中にいること」、つまり「匿名の空間」にいること。
これってカフェの空間に似ていませんか。もしかするとこれがカフェの「魅力」なのかもしれません。
消費行動 / 買い物好きな私たち
▼研究動機
「買い物好きな私」、栄大には女性が多いので、自分も含め、こう認める人は多いと思う。その消費行動を決める要因は何だろう、どうしたら節約ができるのだろう、と考えだしたのが研究のきっかけです。6 月の発表では、お一人様にスポットを当てて、現代社会のコミュニケーションや繋がりについて、社会学的な考察をした。その学びを生かして、私たちが日々経験する消費の場面について考える。
▼私たちの消費行動
私は、テストやレポートに頑張った後、ついご褒美が欲しくなる。これまでにも、夕食をいつもより少し豪華にしてみる、といった日常の小さなことから、海外旅行ツアー、といった出費の大きなものまで、様々なご褒美を買ってきた。この「つい買ってしまう」という感情は、どのようにして生まれるのか。自分の中から生まれるのか、それとも、自分以外の何者かによって作り出されるのだろうか。そもそも自分の消費行動をコントロールできるのだろうか。
一方、消費行動には文化的なマーカー(指標)としての役割がある。例えば、チェック柄がトレードマークの伊勢丹の紙袋を持っていると、その人はある程度のステータスをもつ人だと見なされる。つまり、消費行動は自分が何者であるかを表現する道具(手段)にもなる。この心理を使って成長した企業のひとつがスターバックスである。カスタマイズや限定品購入といった消費行動によって表現される自分。
私たちにとって身近な消費行動がいったいどのような感情や仕組みで起こるのか、を考察することを通じて、私自身の消費がどんな戦略によって、またどんな心理によって起こっているのかが少し理解できるように思う。
▼発表内容
発表では、私自身の消費行動を例に、どんな場面でどんな商品をつい買ってしまうのかを心理的な面から考える。また、スターバックスを例に、企業の販売戦略についても取り上げる。さらに、こうした考察が、私の消費行動だけでなく、あらゆる人の消費行動についてもあてはまることを主張する。
「もったいない」が世界を救う!
■食べ物を捨てる社会
冷蔵庫の奥で賞味期限が切れた食べ物、宴会での食べ残し・・・。私たちは毎日、たくさんの食べ物を捨てています。日本国内における年間の食品廃棄量は、食料消費全体の2割にあたる約1800 万トン。このうち、売れ残りや期限切れの食品、食べ残しなど、本来食べられたはずの、いわゆる「食品ロス」は500 万トンから800万トンといわれています。この量は、主食であるコメの生産量とほぼ同じ、世界の食糧援助量の約2 倍、という途方もない「ロス」です。
■食品ロスの内訳
食品ロスは、食品メーカーや卸、小売店、飲食店、結婚式場、家庭など、「食べる」ことに、関係する様々な場所で発生しています。大量に捨てるのはスーパーや飲食店でしょ?と思う人が多いと思いますが、実は食品ロスのうち、事業者からが300 万から400 万トン、家庭からが200 万から400 万トンと、意外に家庭から出る量も多いことが分かります。
家庭から出される生ゴミの中には、手つかずの食品が2 割もあり、さらにそのうちの4 分の1 は賞味期限前にもかかわらず、捨てられているものです。そのほか、調理の際の、野菜の皮むきや、肉の脂身の取り除きなど、食べられる部分を過剰に捨てていることも、食品ロスの原因になっています。
私たちは、いつでも、どこでも、食べたい物を好きなだけ食べることができます。そんな生活が当たり前になってきている中、食べたくても食料を手に入れることができない人もいます。ですが、その一方で、食料を大量に捨てているという現実があるのです。みなさん、もったいないと思いませんか。私たちの暮らしや、食生活を見つめ直す必要が、あるのではないでしょうか
地域密着型のカフェ / 地元カフェの経営戦略
概要
カフェが好きだという人は多いと思います。その人たちが最初に思い浮かべるカフェはそれぞれに異なるでしょうが、線路の下や住宅街でひっそりと経営しているカフェを思い浮かべる人はあまり多くはないのではないでしょうか。カフェは好きだけど、地元の小さな個人経営店には入ったことがない。そんな人もいるはずです。「それはもったいない!」「この居心地の良い空間を知って欲しい」と考え、もっと多くの人に地元にある個人経営のカフェ=地元カフェの魅力を知ってもらうために、私の地元、江戸川区にあるカフェを調査し、その魅力と地元ならではの経営戦略を伝えていきます。
前期
前期の発表で、私は地元カフェの特徴を挙げ、さらにカフェを利用目的別に分類しました。話題性を求め、単発的利用が多い流行のカフェ、仕事(会議、勉強)や休憩のための場当たり的利用が多いチェーンのカフェ、趣味のための定期的利用が多いコンセプトカフェ、そして共通の趣味を持つでもなく、仕事や話題性を求めてくるわけでもなく定期的、日常的利用が多い地元カフェ。この地元カフェの定義に該当する、江戸川区にある個人経営店「パティスリーカフェひばり」を対象にフィールドワークを行い、その結果から地元カフェは人と人とを結び付け、コミュニティーの形成を容易にすることができる不思議な空間であると結論付けました。
後期
後期では、さらに「パティスリーカフェひばり」でのフィールドワークを続け、その魅力に加え、どのような経営戦略を行っているのかを調査しました。「パティスリーカフェひばり」が参加している、地域で定期的に開かれる朝市のお手伝いをさせていただいた時の体験や、「パティスリーカフェひばり」で定期的に行う常連会への参加や様々なイベント、そして江戸川区の特色に合わせた経営戦略などをまとめ、発表していこうと思います。
宮城 重二ゼミ
快適な睡眠 / スッキリ目覚めは健康のバロメータ
あなたは、毎朝スッキリと目覚めていますか? やることが沢山ある時、ついつい寝るのは後回しにしてしまいがちです。私自身、朝にスッキリと目覚めることができず、やりたいことを優先し睡眠時間を削ってしまう生活をしていました。
今回の発表では、快適な睡眠をとり、スッキリと目覚めるために必要なことを研究し、その結果を紹介したいと思っています。
◆文献調査では…◆
・快適な睡眠の定義について考えました。
・睡眠のメカニズム、ホルモンの働きをまとめました。
・スッキリ目覚めるために入眠時、起床時、生活の中でのするべきことをまとめました。
◆実験では…◆
・自分の睡眠の状態を知るために「睡眠日記」をつけました。
・一日の流れ、睡眠時間、睡眠の質、その日の体調、目覚めのストレス、肌の状態、
どのようなことが原因でその日の睡眠が変わっているか気づいたことを書き出しました。
・スッキリと目覚めた日の行動を意識し、自分の睡眠状態をいい方向へ持っていくために必要なことを分析し、実行しました。
◎快適な睡眠をとりたい! ◎
自分の睡眠状態を振り返り、改善するためには規則正しい生活が重要であると改めて気づきました。睡眠はその日の生活がどのようなものであったかが深く関係してきます。適度な運動や、バランスのとれた食事を心がけ、健康的な生活を実感するようになれば自然と気持ちの良い眠りへと繋がっていくのです。
睡眠状態は自分が意識して変えようとしなければ変えられません。質の高い睡眠をとらなくても毎日は過ごせるからです。しかし、子どものころのようにグッスリ眠り、スッキリと目覚めることができればどんなに気持ちがいいでしょう。今一度生活を見直し、質の高い睡眠をとってみませんか?
気持ちのいい睡眠がとれていない、寝ることが好き、自分の睡眠について少しでも興味がある方は是非聴きに来てみて下さい。
武藤 志真子・藤倉 純子ゼミ
食べるユニバーサルデザイン / ~コレが理想の飲食店~
【きっかけ・目的】
ファミリーレストランでのホールアルバイトで、外国人や障がいのある方、お子様連れの方へ接客をすることもあり、飲食店でのユニバーサルデザインに興味を持った。できる限り多くの人にとって利用しやすいメニュー表を考案する。
【実習の流れ・方法】
埼玉県K 市にあるユニバーサルデザイン(=「すべての人のためのデザイン」、以下UD) レストラン( 図1) を訪問した。都内S 区にあるUD レストラン( 図2) に行きオーナーシェフにインタビューした結果、視覚障がい者や聴覚障がい者は介助者と同伴のため、メニュー表をこだわるより、店内をバリアフリーにするべきであるということが分かった。東京ディズニーランド( 以下TDL) では、レ
ストランの前に掲示されているメニューには日本語のほかに英語が表記されていた。
( 図3) 店内にはレギュラーメニューの点字メニューがあった。( 図4.5)
お子様連れと外国人の方の意見を知るために、お子様連れ47 人にアンケート調査
偶然出会い法、外国人留学生22 人にインターネットアンケート調査を行った。お子様連れの結果は、現状に満足していた。外国人留学生の結果は、「メニュー表には、日本語・英語・繁体字・簡体字の表記がほしい」「お会計の場所とタイミングがお店によって違うのでわからない」「食べ方がわからない」などの意見が多かった。そこで、外国人と日本食に注目することにし、外国人留学生19 人に実際に料理名を見てどのような料理か想像できなかった料理、想像と違った料理のインターネットアンケート調査を行った。この結果から外国人には分かりにくかった日本食のメニュー30 品について、料理の写真、日本語・英語・繁体字・簡体字・韓国語の料理名の表記、アレルギー表記、4 群点数法、調理方法、どのような料理なのか簡単な説
明を表記したメニュー表A5 を作成した。(図6)
【考察・感想】
「食べ物を説明する」ということが日本語でも難しいことだと思った。ただ単に日本語を英語や中国語に直訳するだけではほとんど何も伝わらない。材料や調理方法、味をうまく伝えるにはどのような言葉を使えばいいのだろうか。UD メニュー表を提案していきたい。
マクロビオティックでBeauty life / ~からだが喜ぶ食事をしよう~
■目的
私は長年花粉症に悩まされ、毎回薬に頼るのではなく日々の食事から改善することにした。いくつもの食事療法の中で興味を持ったのが「マクロビオティック」だった。しかし、4 群点数法の勉強をしてきた私にとっては疑問に思う点が多かったため、1食のみこの食事法をと取り入れる事を目的とし弁当を作ることにした。
■実習の流れ・方法
マクロビオティックについて知識を深めたいと思い、半年間勉強し「ナチュラル・フードコーディネーター」という資格を取得した。
半年間の学びの中で、以下3 つの問題点を見つけた。
1. 実際のマクロビオティックの食事は彩りに欠けるため見た目が暗く、とても食欲がそそられる様な食事には見えないこと。
2. 動物性食品を避けるため成長期の子供にはエネルギー源が不足すること。
3. 3 食マクロビオティックの食事をするのは精神的に負担があった。
これらをふまえて、身体に良く、ランチの時間が楽しくなるようなお弁当を1 か月分試作した。弁当のメニューは厳格なものではなく、朝・夕に1 群の食事を適度に摂取することを前提とし昼の弁当の献立を作成した。材料は、無農薬・自然農法の野菜類を中心にたんぱく源となる豆類を多く摂取できるようなものにした。調味料は無添加で精白されていない塩や砂糖を使用した。また、主食の玄米は苦手な方が多いため、玄米をおかずとして食べられる様な弁当も試作した。次に調理時間においては、簡単で短時間で作れるものにしてほしいという意見があったため、作り置きができ、さらに30 分以内に作れるものにした。
弁当のレシピカードは、お弁当箱の原寸大の写真を表に、裏には材料や作り方を記載した。レシピを見ながら作ってほしいと考え、コンパクトなA5 サイズにし、さらに水や油がはねても汚れない様パウチで加工を施した。(図1)
■考察
弁当は毎日食べても飽きず、簡単に調理でき普段の食事にも取り入れられる様な物にしたいと考え試行錯誤を繰り返し弁当を完成させた。そして弁当を家族に食べてもらい評価を得た。
山内 喜昭ゼミ
食と芸術
私の食文化栄養学実習は、私自身が食文化栄養学科で学んできた食についての知識や考えを、比喩を通して表現したいと思うことから始まった。この発表を通して、この発表を見た人が、自分自身の中にある食の概念に広がりを感じていただければと思う。
■実習の概要■
私は、食文化栄養学科は他学科と比較して、芸術大学に近いのではないかと考えたことがある。それは卒業論文に発表会や展示が行われる点や、創作をする実習が多く見受けられることに由来する。そこで食文化栄養学科とは芸術を学ぶ学科に近いのではないかと考え、置き換えてみることにより、『食』と『芸術』の二つの事項の関連性に広がりがあると確信した。この二つは特別意識することはなくても、身近にありふれているものなので、より分かりやすく、より多くの人の関心を得られることを期待する。
■6月の発表まで■
芸術の定義は広く、食との関係性を提示することは容易に考えられた。中間発表では、辞書上で明記されている、【表現者、あるいは表現物と鑑賞者が相互に作用し合うことで、精神的、感覚的な変動を得ようとする活動】【文芸(言語芸術)、美術(造形芸術)、音楽(音響芸術)、演劇・映画(総合芸術)など】を基本にし、考察をしてきた。食も芸術と同様、食べる人(鑑賞者)がいて初めて成り立つと考えたことから、食と芸術をテーマに、食からみた芸術のあり方、食と芸術の関連性を考察した。
■12月の発表では■
食が芸術と大きく異なる点である、食は、体内に咀嚼して吸収するという点に焦点を合わせ、芸術がもたらす身体への影響や、リフレッシュ効果について、芸術の歴史的背景を参考に考察した。発表媒体であるアプリケーションはSNS を介した、シェア機能に富んだものを提案する。
もっと身近に非常食
▼非常食とは
非常食は、災害などの非常事態により通常の食糧の供給が困難になった時のための食糧のことを指します。通常の食品より「保存性」と言う点を特に重視したもので、消費期限が2 ~ 5 年間のものが多いです。長期保存が可能という点の他に、腐敗、変質に対する安定性、収納性・コンパクト性・荷崩れなどに対する耐久性などの問題も条件の中に含まれています。現在はこれに加え、食べやすさや、続けて食べても飽きないものか、なども求められています。
▼実習目的
単なる食事としての満足以外の、おいしい・楽しいなどの「嗜好の面でも満足できる非常食の提案」
▼実習内容
6 月の発表では、
・非常食に必要な条件などの基本的なこと、準備すべき量などについて
・非常食の備蓄状況についてのアンケート結果からわかったこと、問題点
(ex. 準備はしていたが水が手に入らなかったので食べられなかった、など)
・現在販売されている非常食の種類
12 月の発表では、
・非常食ミシュランにて挙げられていた非常食4 ~ 5 種類の食べ比べ結果について。
非常食の種類について調べていく中で「非常食ミシュラン」という、料理・栄養・防災の3 人の専門家による非常食のランキングを掲載した雑誌記事を見つけました。例えば、記事内でも取り上げられていたアルファ米の炊き込みご飯なら、通常の白飯のアルファ米よりも味がついている分、水で戻した場合でも食べやすいなどの点で評価されています。
→このランキングを参考に実際に自分達でも試食を行い、味、調理のしやすさなどの基本的なこと+足したら良いと思ったもの、アレンジ方法についてまとめる。
・自衛隊の訓練食(レーション)について。
非常食とは少し違うかもしれませんが、実習中に自衛隊の訓練食を頂けた機会があったので、ゼミ生みんなで試食会を行いました。試食の結果に加え、レーションの種類や栄養のことなどについての発表も予定しています。
割りばしとはし袋
私たちにとって身近な食具である割り箸の歴史やマナー、ゴミとして退けられがちな箸袋を折ることでまた新しい食具として生まれ変わる箸置きについて調べました。
●目的●
・日本人にとって身近な食具であるからこそ歴史やマナーを知り伝達したい。
箸袋で作る箸置きには食事空間を盛り上げる力があるので、
・箸袋で箸置きを作る楽しさや達成感などで多くの人を笑顔にしたい。
・箸袋で箸置きを作ることで食事空間を華やかにしたい。
●日本の割り箸の歴史●
誕生は江戸時代中期、発祥の地である奈良県吉野で酒樽の材料である吉野杉の端材を有効利用しようと生まれました。現在のような紙製の箸袋に包まれた割り箸が普及されたのは明治時代で、現在ではスーパーやコンビニで手軽に入手出来るとても身近な食具になりました。
●海外(アジア)の箸食文化●
箸食の国は日本、中国、台湾、韓国、北朝鮮、ベトナムなど主にアジアの国で、人口約18 億人(世界全体の約30%)が箸を使用しています。箸の材質やマナーは国ごとに違いがあり、日本、中国、韓国の3 カ国で比較をしました。
●箸袋箸置き●
箸袋は平安時代からありますが、割り箸についている紙製の箸袋は明治時代、山陽鉄道の開通の際に販売された駅弁のために初めて作られました。現在では割り箸とともに手軽に入手できる存在です。手軽なあまり、割り箸を箸袋から抜いた後、その箸袋はゴミとして退けられているのをよく見かけます。その箸袋を折り紙のように折っていくと、素敵な箸置きに大変身します。最終的には捨てられてしまう箸袋ですが、箸置きに変身したら食卓も空間もきっと華やかになるでしょう。より多くの人に知って欲しいと思い、一度も作ったことが無い人を対象に折り方の本を作成しました。
●まとめ●
割り箸は私たちにとってとても身近な物ですが、マナーや歴史など知らずに使用している人が多いのではないでしょうか。学んでいくと歴史ある日本人らしさが詰まった食具だと分かりました。箸袋箸置きはみんなで作ったり、作った物をプレゼントしたり、それで色々な食卓が華やかになって、沢山笑って欲しいです。